人生2周目〜ツイステの世界でやり直し〜(まとめ4)

※ツイステ2次創作の第1章の部分を加筆、修正して纏めたものです。
第1章〜真紅の暴君その3〜

話は纏まった。問題点はー。
「一旦、リドルさんの事は置いといて、
エースって寮に入れないですよね?」
トレイさんは頷いた。
「まあな、ルールだし。」
ケイトくんはトレイさんの話に補足して
くれた。
「あとリドルくんは特にホールドケーキの最初の1ピースを食べるのを楽しみにしてるからきっとホールじゃないと許してくれないよ。」
エース、やらかしたな。
「…やっちまったな。」
そう言ったら、エースが突っ込んできた。
「その口調なんだよ!!」
デュースも、グリムも乗ってきた。
「やっちまったな!」
「やっちまったんだゾ!!」
エースは、そんな2人に対して突っ込んで
いた。
「オメーらも、乗んな!!」
そんなやり取りをケイトくんは見て言って
きた。
「ハハッ、仲いいね〜。」
「ンなワケ!」
エースが否定しようとしたが、ケイトくんは
無視して先に進めた。
「ホールで買うとなると高いよね?
なら作れば?」
あ、その手があったか。
安いし、問題はタルトの作り方なんか知らないと言う点だが。悩んでいたら、トレイさんが助け船を出してくれた。
「ま、手伝ってやるよ。…あのタルト作ったのオレだし。」
そう言った途端にエースは、驚いた顔を
していた。
「マジで!?あのタルト売り物みたいでしたよ!!」
トレイさんは、嬉しそうに言った。
「ははっ、ありがとうな。まぁ、タダで提供するわけにはいかないな。」
だろうなぁ。タルト作る際にトレイさんの貴重な時間を消費させるってことだし。
「分かりました、なにをすれば?」
トレイさんは候補があるようで、あるお願いをしてきた。
「次にリドルが食べたがってたタルトを作るのに栗が必要なんだ。集めてきてくれないか?」
栗のタルトか…、美味しそう。
むしろ俺が食べたいぐらい。
「いくつですか?」
トレイさんは考えながら、言ってきた。
「『なんでもない日パーティー』で出すとすると…2〜300個ぐらいかな。」
多いな…。ま、しょうがないか。
「分かりました。」
エースは、げっそりした顔をしていた。
「マジかよ…。」
そんなエースにハッキリと言う。
「本当は、俺が全部集めてもいいんだけど今回はダメ。エースがやらないと。」
エースが溜息を吐きながら言った。
「分かったよ!!」
デュースとグリムは、やりたくなさそうだったが、トレイさんがあることを言った。
「出来たてを食べれるぞ。」
…凄い。グリム達の扱いがよく分かっている
ようだ。途端にグリム達はヤル気を出し
始めた。
「どこに栗はあるんだゾ!!」
「学園内の植物園の裏の森ー。」
トレイさんが話を全部し終わる前にグリム達は部屋を飛び出していた。

…はやい。素早い、陸上選手になれるんじゃ
無い?この世界に陸上選手があるか知らない
ケド。
「さっきまでのヤル気の無さはどこに?」
そんなグリム達を見てトレイさんは、
笑っていた。
「ははっ、まぁ良いじゃないか。」
そうだ、一つだけ聞いておくか。
「聞いてもいいですか?」
トレイさんは柔かに言ってくれた。
「ん?なんだ?」
…これから笑顔を曇らせるかも知れない。
けど、聞かないと。
「ローズハートさんとは、幼馴染か
何かですか?」
トレイさんは笑顔のまま固まった。
「…どうしてそう思ったんだ?」
理由か…。結構分かりやすかったよ、
2人とも。
「理由は2つあります。
まず最初の理由としては、ローズハートさんの態度です。」
トレイさんは驚いた顔をして聞いてきた。
「リドルの?」
そう、ケイトくんには厳しそうに接していたし、エースに対してはもっと厳しい。
けど、トレイさんと会話した際にはー。
「ええ、ローズハートさんは他のハーツラビュル生には厳しい態度でしたが、トレイさんに話しかけた時、少しだけ話し方が柔らかくなった気がして。」
トレイさんは、次を促してきた。
「…で、2つ目は?」
頷き、答えた。
「2つ目は呼び方です。」
トレイさんは、首を傾げた。
「呼び方?」
そう、最初は寮長だった。でも、ローズハートさんがいなくなった後はー。
「トレイさんは、最初は寮長と呼んでいた。でも、さっきタルトの話になった際や今もリドルと呼んでいた。まぁ、ハーツラビュル外だから呼んでいるとも考えられますが、寮長を呼び捨てにするなんてそうそう出来ない。ケイトくんですら、リドルくんですから。」
トレイさんは、参ったと言う顔をした。
「…アイツらが居なくなってから、話しかけたのは?」
それはー。
「聞かれたくない場合も、あるでしょう?」
トレイさんは、昔を思い出しているのか懐かしそうに話し始めた。
「…ああ、俺はリドルと幼馴染だ。俺は実家がケーキ屋をやっていてな。…色々あって知り合った。」
だからか。
「それで、ケーキを作るのが得意なんですね。」
トレイさんは、困った様な顔をしながらこちらを見てきた。
「そういう事だ。…ちょっと相談していいか?」
トレイさんには、タルトの件で協力して貰ったり学園のこと教えて貰ったりしたし…断る理由は無いな。
「いいですよ。」
トレイさんは、浮かない顔をしながら相談してきた。
「よかれと思ってやった事が、悪い方向に
転がっていったらどうする?」
難しい問題だ、何故なら俺も失敗した。
「難しい問題ですね、俺もそれで
失敗しました。」
トレイさんが驚いた顔をした。
「お前も?」
そのせいで、人を傷付けた。
「そうですよ。…人間ですから、失敗するのは当然なんですよ。」
トレイさんは、言ってきた。
「そういうもんか。」
俺はそれに頷き、言った。
「ええ…あんまり待たせる悪いし、
行きます。」

植物園の裏の森に向かうと、グリムがプンスコしながら言ってきた。大分待たせてしまったようだ。
「ユウ!遅いんだゾ!!」
デュースは来たことにホッとした様な顔を
していた。
「てっきりサボり…、いやユウに限ってそれはないか。」
エースは、デュースの意見に同意する様に頷いて言った。
「ま、1人で栗とか黙って拾うタイプだわ。」
…やっぱり慣れないな、この信頼は。

さっそく栗を拾おうとしたのだがー。
グリムが叫んだ。何事だと思い、近づくと
栗が肉球に刺さっていた。
「栗の棘が肉球に刺さったんだゾ!!」
…素手は無理だな、カゴとかもらってくるか。グリムの手から栗を抜きながら、
言った。
「植物園に道具ありそうじゃない?」
抜く際、抜き方が雑だったのかグリムに文句を言われた。
「イタタ…、もっと優しく抜くんだゾ!
大事な肉球に傷が付くじゃねーか!!
ともかく植物園を探してみるんだゾ!!」

植物園に入ると、想像していた以上に
広かった。
「…これ、想像より探すの大変かも。」
デュースは、手分けして探すことを
提案してきた。
「手分けして探そう。」
確かにそれが1番だな。
「だね、じゃあグリムと俺がまっすぐ、
エースが右、デュースが左で。」
頷き、エース達と別れてカゴとトングを
探す事にした。

辺りを探していたが目的の物は
見つからなかった。
「…ないな。」
ふみっ。
「いって!」
ん?今声が聞こえてきたな。 
下を見ると、機嫌が悪そうなレオナさんが
いた。
「人の尻尾を踏んでおいて素通りとはー。」
今踏んだのレオナさんのか。
「いい度胸とか言うつもりでしょう?」
レオナさんは、睨みながら言ってきた。
「…本当に、いい性格してるなテメー。」
王族に褒められたぞ。やったな。
「ありがとうございます。」
違ったらしく、レオナさんは睨むのを
やめてくれた。
「褒めてねーよ。…たっく、こんな調子だから怒る気が失せる。」
レオナさんが、呆れている。
…そんなに?すると、見知った声が聞こえて
きた。声的にラギーさんだな。
「レオナさーん!」
「チッ!」
舌打ちしたな、今。
会いたくないのかな?
ラギーさんは、レオナさんを見つけると
言った。
「やっぱりここにいた。
レオナさん、今日は補習の日ッスよ。」
…補習?レオナさんが?
そんなことを考えていたら、ラギーさんに
あいさつをされた。
「あ!ユウくん!こんにちはッス!!」
あいさつをされたので、ラギーさんに
返した。
「ラギーさん、こんにちは。
…あの補習って?」
ラギーさんは疲れた様に言った。
「ああ、レオナさん授業サボりがち
なんッス。…留年しているし。」
…マジか。
「知らなかった…。」
ラギーさんは、楽しげに言ってきた。
「まぁ、言ってなかったし。
…ほら、レオナさん!行くスッよ!
やればできるのになんでやらないんだか…。」
あ、そうだ。聞いておこう。
「あのカゴとトング探しているんですが…。」
ラギーさんが変なヤツを見るような顔で
こっちを見てきた。
「なんだってそんなモノを…。」
面倒くさいけど、やらないと。
やるって言っちゃったし。
「栗拾いしなくちゃいけなくて。」
ラギーさんは、悩みがら言ってきた。
「んー、理由はわからないッスけど…、
まさかタダで…。」
参ったな、今渡せるのコレしかない。
「売店で、買ったドーナツぐらー。」
しかないと言おうとしたら凄い勢いで、  
奪われた。…早すぎて見えなかったな。
ラギーさんは、場所を教えてくれた。
「カゴとトングは、奥にあるッスよ!!
さあ、レオナさんいきましょう!」
そんなラギーさんをレオナさんは、呆れながら見ていた。
「テンション上がりすぎだろ…、テメー。」
「そりゃあー。」
ラギーさん達は、たわいもない会話をしながら植物園を出て行った。
…奥にあるって言っていたな、探すか。

奥に向かって、探しているとデュース達と
鉢合わせた。
「ユウ!丁度良かった!見つかったんだ!」
「奥にあったぜ。」
ラギーさんの情報は、本物って事か。
「なら、元の場所に戻って栗拾い再開する?
…あ。」
グリムは、不審な目で俺を見てきた。
「なんだゾ。」
トングとグリムを見比べたがー。
無理な気が。
「グリム、その手でトング握れる?」
エースがキッパリと言ってきた。
「…無理だな。」
だよな、拾うのが無理ならー。
「じゃあ、数数える係ね。」
エースが本気か?と言った顔をしていた。
「そんな難しい事できっか?コイツに?」
そこは対応策考えているし。
「とりあえず、10個数えたら教えて。
そしたら、別のカゴに移すよ。」
エースは、考えながら呟いた。
「それなら、コイツも出来るか…?」
グリムは、そんな様子を見て叫んだ。
「なんかバカにされている気が
するんだゾ!」




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