人生2周目〜ツイステの世界でやり直し〜㉒

第二十二章〜好きなモノ〜

疲れた顔をしていたエース達をトレイさんは、労ってくれた。
「慣れないことすると疲れるよな。
というわけで、疲れた時は甘い物だ。
出来立てのマロンタルトを召し上がれ。」
全員がはしゃいでいた。
「ケイト先輩、やっぱり完成見計らって食いに来ただけじゃん!」
…ま、流石に気が付くか。
「まぁまぁ♪味見役って事で。」
やっぱりこの人、話逸らすの上手いな。
グリム達が目を輝かせている。
…まぁ、分かる。店で売っているみたいなヤツというか。当然だけど。実家がケーキ屋だし。
一口食べたら、あまりの美味さに思わず溢れてしまった。
「…ウマ。」
「ハッ?」
「えっ。」
「あのユウちゃんが!?」
…だから、どんなヤツだって思ってんの。
美味いとか普通にー。
いやー、美味しいの食べても無表情で食べていたわ。俺。
「…ユウ、今度別のケーキを食べてみないか?」 
「トレイ先輩の目が、マジだ!!」
「ちょっーと落ち着こうね、トレイくん。
落ち着くためにも、アレ見せてよ。」
「ハッ!済まない…つい。
お前たち、好きな食べ物はなんだ?」
「オレはチェリーパイとハンバーガー。」
「オレ様はツナ缶なんだゾ。
あとは、チーズオムレツ、焼いた肉とプリンと〜。」
「強いて言えばオムライス、ですかね。」
「米。」
「えっ。」
「だから米。こっちの方がいい?ライス。」
「マジか…。」
え?そんなに引く?
「なんかユウちゃんらしいと言うか…
ちなみにオレはラム肉のグリル・ディアボロソースかけ。」
…セレブが食べそうな名前。
「それじゃあ、いくぞ。
…『薔薇を塗ろう!』」
「…?これは?」
「ではマカロンタルトをもう一口どうぞ。」
「ん?んんん?これは…
マカロンタルトなのにチェリーパイの味がする!」
「俺は白米。」
周りを見ると、みんな先程あげていた好物の味がするようだった。
「面白いでしょ?コレ、女の子とお茶する際に鉄板で受けると思わない?」
「それは分かりませんが…、中々面白いユニーク魔法ですね。」
「ははっ、流石に分かるか。
俺のユニーク魔法は『要素を上書きする魔法』だな。味だけじゃなく、色や匂いなんかも上書きできる。」
「へー、戦闘とかで使うとなったら便利そうですね。」
「なんでだよ?」
「上書きって事はさ、ある意味なんでも出来るよね?相手に自分を斬ったみたいな認識させられるし。」
「…オメーの発想が物騒だわ。」
「ありがとう。」
「だから!褒めてねーよ!!」
「まぁユウの物騒さは置いといて、効力は短時間しか持たないからあんまり戦闘向きとは思えないな。」
「そうですか?
作戦とか上手くたてればー。」
「いや、戦闘に利用する方向で考えんな!」
うーん、残念。
「ユウって、アズール辺りと気が合いそうだな。」
「分かる〜!!」
アズール?確かー。
「アズール・アーシェングロット。
オクタヴィネル寮の寮長だよ。
計算高い性格だし、ユウちゃんと気が合いそうだよね〜。」
…俺ってそんな?
「いや、そんなに計算高くはー。」
「あるんだゾ。」
「あるな。」
「あるぜ。」
酷いな、みんな。
「ははっ、アズールの事は置いといて
俺はこの魔法をドゥードゥル、落書きって呼んでいる。」
「それは、短時間しか持たないからですか?」
「まぁな。」
「スゲーんだゾ!」
「正直、寮長より凄いんじゃ…?」
「いや…俺の魔法なんか、寮長の魔法に比べれば子どものオモチャみたいなものだ。レベルが違うよ。」
…正直、汎用性の高さはトレイさんの方だと思うが寮長に敵わないと思う出来事があるのだろう。
「…さ!今日はもう遅い。
タルトを渡すのは明日にして、寮に戻ろう。明日は『なんでもない日』のパーティーだ。遅刻するなよ。」
「…泊まる場所どうすっかな。」
「また泊まる?」
「ハッ?」
「帰れないし、タルト渡して寮長に許されるまでの期間だけど。」
「ま、特別に外泊許可を出してやる。
デュースは、お目付け役としてついて 
行ってやってくれ。」
「トレイくんってば、新人ちゃんに甘くない!?」
「なら、オレも!!」
「お前はダーメ。」
「ちぇ。さげぽよ。」
…懐かしいな、その言葉。
「じゃあ、ユウ。
うちのが2人も邪魔して悪いが、明日までよろしく。」
「分かりました。」
「明日は『なんでもない日』の
パーティー。絶対、この首輪取ってもらうからな!見てろよ!寮長。」
…なんで、喧嘩調なの?仲直りしに行くんだよね?不安だな…。

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