人生2周目〜ツイステの世界でやり直し〜⑭

第十四章〜逃亡者を捕らえよ〜

さて、グリムはー。いた。
「アイツ!」
「待って。」
エースを思いっきり掴む。
「…思いっきり掴んだつもりだろが、
全然痛くねーぞ。」
「えっ?本当?」
エースは、溜息を吐きながら話を
聞いてくれた。
「…で、なんか作戦あんだろ?」
「うん、よくわかったね?」
「…なんとなくな。」
「それで作戦というのは?
僕はユウの作戦なら信じられる。」
…そこまで信じられると、くすぐったいと
言うか、上手く言えないけど。
「グリムの前に全員で現れても
ダメだと思う。」
「なんでだよ?」
「グリムって、すばしっこいでしょう?
しかも小さい。俺らが全員で立ち塞がっても、隙間を見つけて逃げる可能性がある。」
「確かにな。」
「だから、2人はグリムを追いかける振りを
して所定の場所に追い詰める。そして3人目が魔法で捉える方法がいいって思うんだ。」
「網は?」
「ブラフ。グリムは、火が使えるし捕まえた所で火を吐いて網を焼くよね。…前みたいに。」
「あ〜、アイツならやるわ。」
「そう考えると、ユウが提案した方法が
1番か。」
「で、誰が追いかけるワケ?
ま、アンタとオレは魔法使えないから必然的に追いかけるメンバーになるけど。」
エースのいう通りだ、問題は俺の体力が持つかだけどー。
「保つのかよ?」
「…多分。」
エースは、呆れながら言った。
「しょうがねー、へばったら
運んでやるわ。」
「えっ、いいよ。俺の事はー。」
「どうせ、『置いていけ』とかいうんだろ。…司令官が居ねーと意味ねーだろが。
だから、運んでやる。」
「…ありがとう。」
デュースは、驚いた顔をしてこちらを
見てきた。
「つまり、魔法を使うのは僕って事か!!」
「そうだよ、デュースは木の上で待ち伏せしていて。」
「普通に待ち伏せじゃダメなのか?」
「グリムが、待ち伏せに気が付く可能性が
あるし。」
「そうなったら、別の道に逃げる可能性が
あるか。」
「そ、だから俺らが木の下に誘い込んだら
デュースの大釜でグリムを捕らえる。」
「…少しやり過ぎな気もするが。」
「そんな事ないよ、逃亡したって事はこれからもする可能性あるし、今痛い目に遭えば
今後、しないよね?」
デュースとエースがジト目で見てくる。
なんか変な事言ったかな?
「…おそっろしい奴だわ。」
「…グリムに少しだけ、同情する。」
え?そんなに?

グリムを誘い込む為に、エースと頷き合い
グリムの前に現れる。
「オイ!クソ狸!」
「ちゃんと、授業は受けないとー。」
「やなこった!
後オレ様はグリム様なんだゾ!」
それだけ言って足の隙間から、逃げた。
…よし、作戦通り。
「…後はー。」
「指定の場所に誘い込め、だろ?」
…最近、エースに考えを先読みされている気がするが気のせいかな?

「フナ〜〜!絶対!
授業なんて受けないだゾ〜!!」
…やばっ、疲れてきたな。
すると、エースが俵担ぎで抱えてくれた。
「ほんっと、お前ひ弱だな!?」
「…予想よりダメだった。」
「計算ガバガバだな!?」
次は恐らくー。
「エース、多分グリムは
ピンチになったら火を吐いて来る。」
その言葉を合図に、グリムはこちらに
身体を向けて火を吐いてきた。
それを無事に避けたエース。
「オレ、今魔法使えないんだけど!?」
「…大丈夫。」
そう言って、再びグリムが火を吐いて来る動作をした時にグリムに粉をかけた。
「フナ〜〜〜!!」
グリムが、クシャミをした為火は別の方向に飛んでいった。
「…お前、何したの?」
「薬草振りかけただけ。」
「薬草?」
「そ、薬草。魔法薬学の部屋にあったのを
くすねてきた。」
「…オイ。」
「薬草っていっても、ほんの一部だし
いいんじゃない?」
「つーか、なんで薬草なんか…。」
「なんかに役立つかも、って思ったから。
俺力ないし。」
エースは、呆れた様に言った。
「…充分あんだろ、その大胆さとか。」
「フナ〜!!」
グリムは、あまりの痒さにその場を逃げ出し指定の場所に走り出した。
「…まさか毒薬じゃー。」
「そんなワケないよ、触るな危険って書いてある棚には触らなかったし、毒薬のビンにはドクロマークが付いていたしね。
俺がくすねたのは、逆の棚。色々な薬草が
入っていたから教科書見ながら安全そうなの選んだんだ。痒みが止まらない薬草。」
「…安全か?それ?」
「痺れが止まらないとかよりはー。」
「…テメーを敵に回さなくてよかったわ。」
「?」

「うぅ〜〜、痒いんだゾ〜!!」
よし、指定の場所にグリムが着いた。
デュースに合図をするとー。
「いでよ!大釜!」
「フナ!?」
そして、グリムは大釜の下敷きになった。
「な、納得いかないんだゾ!!」
「こっちには、最強の軍師様がついてんだ。諦めろって。」
最強の軍師?誰が?

グリムを縄で縛り、無理矢理授業に連れていこうとしたがグリムは、ずっと駄々をこねていた。
「やだやだー!つまんない授業は
嫌なんだゾー!!」
…しょうがない、ここは。
「そっか、しょうがないね。」
「いいのか?」
「うん、しょうがないよ。
グリムは、一番レベルが低いって事になるけど…、本人が望んでいるならー。」
エース達は、気が付いた様で乗ってくれた。
「ま、しょうかよな!この学園で一番レベルが低いのも本人が選んだ事だし!」
「そうだな、グリムより上に行こう。
僕たちは。」
途端にグリムは、焦り始める。
「な、なにを言っているんだゾ!」
首を大袈裟に振りグリムに話す。
「…グリム、この学園だと授業を
まともに受けないとランクは一番下。
つまり、最下層なんだ。」
…もちろんそんなルールは、存在しない。
全てはったりである。けど、グリムならー。
「うぅ〜〜〜!!」
「そうか、残念。
なら俺らは上に行くよ。」
…まぁ、嘘。
俺は、グリムと一緒で一人前だし。
「待つんだゾ!!授業は、受けー。」
グリムは、ハッとした。
俺のはったりである事に気が付いたようだ。
「だ、騙したのか?」
「ごめんね。」
「許さないんだゾ!!」
そう言って遅いかかるグリムを縄で起用に動かし、攻撃が当たらない様にした。
「次の授業、なんだっけ?」
「フナッ!?」
「…鬼か?」
「?」

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