人生2周目〜ツイステの世界でやり直し〜⑬

第十三章〜戦闘開幕〜

「うんうん、ユウくんなら乗ってくれる
と思っていた!」
それだけ呟くと、何か呪文を唱え始めていた。…なにする気だろう?
「オレはコイツで、コイツはアイツ。
『舞い散る手札』」
そう言い終わると、ケイトくんが増えていた。…4人?アレ全部本体か?
1人づつ撃破するとか考えたけど、無しだな。
現実味がない。
俺らが今使えるのって、投げる、火、
大釜だし。…後はこれか。色を変える魔法。
どれも有効になる気はしないな。
相手を良く観察してみるか。
フィクションで見る奴だと、本体を倒せば
後は終わり系が多いけど、多分アレはそういうタイプじゃないな。分身を保つって事は、
それだけ魔力を消費している筈。
なら、時間を稼ぐ方法が一番かな。
「ユウ?どうするんだゾ!!」
「うん、そうだね。
逃げよう。」
「えっ。」
「手のうちを見るんじゃなかった
んじゃ…。」
「見たよ、あの分身はユニーク魔法で
現れた物。そして、あの分身を保つには
魔力が必要だ。」
「つまり、長時間は継続出来ないって
事か?」
「そういう事だよ、ケイトくんと戦うなら
逃げて、時間を稼ぐ方法が一番。」
「地味な作業だな…。」
「仕方ないよ、こっちはそんなに魔法
使えないでしょう?」
「まぁ、否定はしない。」
黙って見ていたケイトくんだか、やがて分身を解いた。
「なっ!?」
「そんなに驚く事?エースちゃん。
ユニーク魔法の弱点を見つけられているし、これ以上の戦闘は無意味でしょ?」
「同意見です。」
「なら、帰ってくれる?」
「ええ、また近いうちにタルト持ってきますよ。」
「そ、ばいば〜い!!」

「無事に帰れたな…。」
気のせいか?デュースやつれてないか?
「あっ。」
「どうしたんだゾ。」
「もう予鈴の時間過ぎてない?」
「まずい!遅刻するぞ!!」
「フナ!?お前たち、急いで教室に
行くんだゾ!!」
「そういえば、ユウ達のクラスはどこだ?」
「1年A組らしいね。」
「なんで他人事なんだよ!?」
なんだ、エースも聞いていたのか。
黙っていたからか聞いて無いかと。
「オンボロ寮に戻ろうとしたら、変態…
違った。学園長がそれぽい事を言っていた
様な…。」
「まぁ、1年A組って事で考えるか。
間違えていたら、学園長の伝達不足って
事で。」
「…デュースも、大分こいつに毒されてきたな。」
「そんな事は!!」
「2人ともその辺にしとこう?
遅刻しちゃうよ。」
「そうだった!1時間目は魔法薬学だ!!
急がなくては!!」
走るの疲れるし、歩くー。
「急ぐぞ!!」
歩くつもりだったが、手を引っ張られて走る羽目になった。

とりあえず間に合った…、走るのは疲れるからもうしたくないけど。
ん?なんだ?見られている?
視線を感じて、見ると全力で顔を逸らされた。うん?
「ユウは、有名だからな。」
「今までの反応からしてなんとなく
思っていたけど、ここまでとは…。」
「あの隣の奴らは!
シャンデリア壊した奴ら!」
「…デュース達も有名みたい。」
「ふ、不名誉だ!!」
するとー。
「私の授業で、騒ぐとはいい度胸だな?」
見た目は、黒、白。
…なんかパンダみたい。
「すいません、パンダ先生。」
「ぶっ!!」
「…どうやら、今年の一年は問題児が
多い様だな?」
「すいません!謝れ!パンダ先生に!!
…あっ。」
「…想像以上の問題児だな、後名前はパンダではない。ディヴィス・クルーウェル。
気軽にクルーウェル様と呼んでー。」
様はないな、様は。
「よろしくお願いします、クルちゃん先生。」
「…その名前はなんだ?」
「いや、なんか名前長いし、略した方が
楽なので。」
「…分かった事がある。」
「何が?」
「…貴様は何を言っても、聞かないタイプ
だな?」
「そんな事はー。」
「あるんだゾ。」
「あるぜ。」
「あるな。」
「…。」
酷くないか?俺の扱い。
「…まぁいい。
授業を始めるぞ。薬草と毒薬100種類の名前と
見分け方をお前らの小さい脳味噌に叩き
込む。」
この人、スパルタ教師?
まぁこの知識は、今後役に立ちそうだし覚えておいて損はないか。
「テストで赤点をとる生徒が1匹も出ないように厳しく躾けていくからそのつもりで。」
…やっぱりスパルタだ。この人。

次の時間は、魔法史だった。
…まぁ、歴史を学べるのはありがたいかな。
この世界について不明な事多いし。
「私は魔法史の授業を担当する、
トレインだ。こちらは使い魔のルチウス。」
あ、なんか使い魔ぽい。
魔法使い=猫の使い魔のイメージが強いし。
「私はレポートだけではなく授業態度でも
評価ー。」
すると、グリムとルチウスが喧嘩を
し始めた。
「フシャアアアア!!」
「フナ〜〜〜〜!!」
「これも授業態度に含まれますか?」
「…使い魔の管理ぐらいー。」
「使い魔じゃないんだゾ!!」
「一応、学園長に勉強する許可
貰いましたし。」
「…今回は、多目に見よう。
授業に入るぞ。テキスト15ページを開いて。ドワーフ鉱山で宝石の採掘中に発見された魔法石についてだがー。」
なんて言うか、ドワーフと言う単語といい、
宝石を採掘していたってやっぱり映画の内容なんだよな。
「オァ〜〜〜」
今、ルチウスの声で聞こえなかったな…。
「この世紀の発見により魔法エネルギーは
広く世界に知られる事になり、この年は
魔法元年とー。」
やっぱり元の世界とは違うみたいだ。
魔法元年なんて聞いた事ないし。
ふと隣を見ると、エース達は寝ていた。
…寝るの早いな。
それを見逃すトレイン先生でもなかった。
エース達の前に立ち、机を思いっきり叩く。
「うわっ!」
「なんだ!?」
「フナ!?」
「最初に授業態度も見ると言っただろう?
…居眠りは厳禁だ。」
「すいません!」
「分かったっス…。」
「分かったんだゾ…。」
まぁ、こうなるよな。
…机を叩くのはやめて欲しいけど。
俺、とばっちりだし。

次の時間は体力育成とか言う奴らしい。
…サボりたい。
「オレはバルガル。」
…苦手なタイプだ、なんか上川に似ているし。体育教師って昔から相性がよくなー。
「魔法士たるもの、体力がないとな。
そんなわけでグラウンド20周、次に腕立て伏せ100回!」
…魔法と関係ある?これだから体育教師って言うのはー。
「…アンタが苦手そうなタイプだな。
ま、オレも苦手だけど。」
「運動なら、任せろ!!」
よし、デュースにおぶって貰おう。
「デュース、おぶって。」
「なぜ!?」
「運動しすぎると、倒れるんだ。」
「ひ弱だな!?」
「ドワーフ鉱山の時も、思っていたけど
ひ弱だわ…。」

休み時間、俺は死んでいた。
主に体力育成の授業のせいで。
「…。」
「大丈夫か…?」
「ダメだろ。」
「ユウー!!死ぬなー!!」
デュースに死んだ事にされたので、
突っ込んだ。
「勝手に死んだ事にしないで。」
「良かった!!本当に!!」
なんか目を潤ませているし…。
「大袈裟過ぎだろ。」
「そんな事は…!!」
そんなデュースをエースは、無視してぼやいた。
「なーんか、魔法学校っつっても
普通の学校とあんまり変わらないって
いうか。」
…まぁ否定はしない。
歴史とか体育とか。魔法薬学ってのは聞いた事ないけど。
「あれ?」
「どうした?」
「グリムは?」
「…いねーな。」
窓の外を見るとー。
「オレ様は天才だから授業なんか
受けなくてもー。」
朝の件を忘れたのかな?
薔薇だってまともに塗れてなかったのに。
「…おい、監督不行届だぞ。」
「それについては、返す言葉もない。
…早く捕まえよう。
シャンデリアルートになる前に。」
エース達の顔が、真っ青になった。
「グリムを急いで捕まえよう!」
「あんの、くそ狸!!」


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