人生2周目〜ツイステの世界でやり直し〜⑫
第十二章〜薔薇を染めろ〜
ピーちゃんにハーツラビュルのルールを教えて貰い、ハーツラビュル寮に向かう事にした。トランプが装飾されている鏡があり、明らかにハーツラビュルと分かる物だった。
鏡の前に立つと、鏡が揺めいた。
これはドワーフ鉱山と同じタイプかな。
するとー。
やっぱ同じタイプだったか。
違う場所にいた。
「めちゃ豪華だ!」
グリムのテンション上がっている。
確かにそうだ、お茶会とかやってそうな雰囲気。後なんか「不思議の国のアリス」って言う映画の装飾に似ている気がする。
…そういうの関係なく、赤すぎて落ち着かなそうだし、やっぱりオンボロ寮が一番かな。
「やばいやばい。
急いで薔薇を赤く塗らないと。」
そう言いながら薔薇を赤く
塗っているのはー。
アレはピーちゃんの情報だと、
3年のケイト・ダイヤモンドか。
写真と一致する。
「なんで、写真撮っているんだよ?」
「だって情報収集は、当然だろ?」
「しかも、隠し撮りなんだゾ…。」
グリムが引いているが、これは使える。
「この写真預かっても?」
「なんでだよ!?」
「これ部屋で管理するの危険でしょう?」
「うっ…。」
「この顔だと、考えもせずに隠し撮り
していたな。」
だろうな、ピーちゃんってアホ…、違う。
間抜け…、とにかく抜けているし。
「俺なら問題なく管理出来ますよ。」
「そうか!」
「なるほどな。」
エースも、デュースも気が付いた様だ。
「なんだよ?」
「実は学園長から、生徒の日常を撮って欲しいと依頼を受けていまして。…写真が部屋にあったとしても学園長の依頼で生徒を撮っていたって誤魔化せるでしょう?」
「...じゃあ、渡すわ。
けど!悪用すんなよ!!」
スパイを目指しているとは思えないし、
隠し撮りしていたとも、とても思えない
セリフだった。
「おっと危ない。
塗り残しは首が飛ぶぞ。」
うん、ピーちゃんの情報だと「薔薇は赤く塗らないといけない」「クロッケー大会のフラミンゴは色が決まっている」
「誰の誕生日でもないのに寮長の気分次第で突然開かれるティーパーティー『なんでもない日』おめでとうパーティー」とか色々ルールがあるらしい。…聞いといて良かったな。
沢山ありすぎて頭が混乱するし。
…それにしても、ルールが
「不思議の国のアリス」の内容だ。
薔薇を赤く塗るところとか。
「アレ?君たちって…。」
考え込んでいたら、ケイト・ダイヤモンドが
近付いてきた。
「君は、レオナくんに無礼な口を聞いた事で有名人になったユウくん!」
「そんなつもりはないです。」
「ウワサ通りクールだね〜。」
次にデュース、エース、グリムを見た。
「で、君たちはシャンデリアを壊した事で
有名人!右からデュースちゃん、エースちゃん、グリちゃん!」
「不名誉だ!」
「大体コイツが!!」
「オレ様は、悪くないんだゾ!!」
うーん、アレはデュースのトンチンカンな行動が原因な気も…。
更にエースを見ながら笑顔で言う。
「で、エースちゃんは更にリドルくんの
タルトを食べて罰則を受けた問題児!
記念に、イエーイ!」
そう言って、撮り始めた。
「マジカメに上げていい?」
マジカメ?亀がどうかしたんだ?
「あの、マジカメってなんですか?
亀と何かするんですか?」
すると、ケイト・ダイヤモンドは
驚いた顔をした。
「えっ!?マジカメ知らないの!?
…あり得るか、よく分からない世界から来たみたいだし。」
「えっと…。」
「まずは自己紹介した方がいいよね。」
名前は知っているけど、知っていたら不審がられる。俺はエース達に目配せをし、このままでいい事を伝えた。
エース達は、頷いた。
「オレは、ケイト・ダイヤモンド。
ケイトくんって呼んでね。
けーくん♡でもいいよ。」
流石にけーくん♡は…。
「よろしくお願いします、ケイトくん。」
「順応力早いな〜、でマジカメなんだけど。
スマホで撮った写真をアップロードし、共有できるシステムなんだよね〜。」
「成る程、インスタグラムみたいな
もんか。」
「インスタグラムって?」
「こっちの話です。
写るのあんまり好きじゃないのでNGで。」
「そっか〜、残念。
でも無理強いは良くないしね、
他のみんなは?」
「オレ様はいいんだゾ!!」
アレ?何しに来たんだっけ?
そうだ、寮長に謝りに来たんだ。
…追い出される可能性高いけど。
「グリム、俺らの目的は?」
「あっ!」
グリムは思い出したと言った顔をした。
それと同じぐらいにケイトくんは思い出した顔をした。
「やっば〜!!
パーティーの開催は明日。
遅れたら首が飛んじゃう。」
…そんな、「遅刻、遅刻〜⭐︎」みたいなノリで言われても困るんだが。
「ねーね君たちー。
薔薇塗るの手伝って!」
まぁ、断る理由がないし。
「いいですよ。」
「即答!?早いな〜。」
「慣れているので、こういうの。」
そう言った時、ケイトくんが一瞬曇った気がした。
「慣れているって…。」
「押し付けられるのがってヤツです。
まぁ、断ったところでどうにもー。」
「…。」
「あの?ケイトくん?指示を…。」
ケイトくんは、すぐに持ち直して指示を飛ばした。
「薔薇を赤くしてね!グリムちゃんと
デュースちゃんは魔法で。ユウちゃんと
エースちゃんは、 ハイ!コレ!」
そういって渡されたのは、ペンキだった。
「とりあえず塗れって事ですね。」
「そういうこと。」
デュースと、グリムは困っていた。
「魔法で、色を変えるですか…。」
「そんな事やった事ないんだゾ。」
「なんとかなるよ、塗れなかったら
全部俺が塗るし。」
「あー、なるほど。
そういう感じなんだ、ユウちゃんは。」
「?」
「気にしないで。」
ケイトくんが、これ以上は踏み込ませてくれそうになかったので黙る事にした。
薔薇をペンキで塗っていたが、周りは凄い惨状だった。
「赤くなれ!あれ?なんか黄色に
なった!?」
「フナ〜!!」
「バッカ!お前!火を飛ばすんじゃねー!」
「…みんな落ち着こう。」
ピシャリと言った。
「分かっているが!」
「上手く出来ないだゾ〜!!」
「クッソ〜!魔法が使えたら!」
…みんな焦り過ぎ。
「みんな焦り過ぎだよ?前に魔法は
イメージって言っていたでしょう?
焦っている状態じゃ上手く出来ないん
じゃない?」
「う〜!!」
「グリムは、纏めて全部やろうとするから
ダメなんだと思う。1つずつやってみて。」
「でも、全部の方がー。」
「楽だし、カッコいいでしょう?
でも、グレート・セブンも最初は地道な事
から始めただろうし最初は、ゆっくり
やろう。」
「グレート・セブンも?」
グリムに優しく言った。
「うん、確実に力をつけて行こうよ。」
「分かったんだゾ!!」
そう言うとグリムは、1つずつ薔薇を赤く
染めていった。
「で、デュースは色々考え過ぎるから色が
黄色とかになるんだと思う。」
「え!?」
「薔薇って赤以外もあるでしょう?
そのイメージがデュースの中にあるんじゃないかな、だからついそっちに意識が飛んで
黄色とかになっちゃう。魔法はイメージ、
でしょう?だから赤、赤、赤とか呟きながら染めるといいよ。」
「よっし!やってみるか!
赤!赤!赤く染まりやがれ!!」
…最後なんで命令口調なの?
でも、上手くいったみたいだ。
問題はー。
「エース、塗らないの?」
「…。」
あー、これはやらなそう。
「分かった、なら俺がー。」
「ハイハイ!分かりましたよ!!」
なんも言ってないのに…。
「本当っ、腹立つわ!アンタ!!」
そう言って、塗り始めた。
「ありがとう!思っていたより早く
終わったよ。…ユウちゃんは、敵に回すと
厄介そうだね。」
ケイトくんが最後に呟いたが上手く聞き取れなかった。…そろそろ行くか。
「…あの、寮長に会えますか?」
「…そろそろ来ると思った、ユウちゃんの事だ。この寮のルールはある程度知っているんだろう?」
見抜かれている、なら隠す必要はないか。
「ええ、確かハート女王法律・第53条
『盗んだものは返せなければならない』でしたよね。」
「そう、だから君たちはタルトを持って来ないといけない。…けど、見た感じ手ぶらだね?」
「ルールは、絶対ですか?」
「そうだよ、寮長によって違うけど特にリドルくんは真面目な子でね。」
…確かに真面目そうだったな、やり過ぎて反感が起きないといいけど。
「…なら、出て行ってもらうよ。」
そう言って、マジカルペンを構えて来た。
「…3人とも構えて、あの人やる気だ。」
「マジで!?」
「逃げる方向で!!」
「まぁ、それもあり。
…だけど。」
「なんなんだゾ?」
「ここで戦った方が、相手の力とか少しは
分かるよね?」
「やっぱりか!」
エース達は、そう言ってマジカルペンを
構えた。
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