人生2周目〜ツイステの世界でやり直し〜⑪

第十一章〜ハーツラビュルのルール〜

寮長には今回のいざこざを絶対に話さない
事を約束し、にハーツラビュル生に、
ハーツラビュルのルールを教えて貰う事に
した。
「…なんだって、オレが…。」
「怨むなら、過去の自分の浅はかな行動を
怨むんですね。」
「うっわ、きっつ〜。
ま、事実だけどな!」
「ユウって、ここの学生一悪人って思う時
あるんだゾ…。」
失礼な、そんな事はない。
「ないよね?」 
「いや?あるんじゃないか。
今のユウは、凄い悪人面していた。」
「…。それで、あなたの名前は?」
気を取り直して、ハーツラビュル生に
名前を聞いた。
「ハーツラビュル生1年の、
ペリー・フィニアス。
…後はユニーク魔法が使える。」
「マジで!?」
「そんなにすごい事なの?」
「…まぁ、そいつ固有つーか。
1年でって言うのは聞いた事ないつーか。」
「…隠していたし。」
「えっ?」
「だから!隠していたんだよ!
入学する前から持っていたけど、
バレると面倒だから!!」
隠したいのには、理由がある訳か。
「で、そのユニーク魔法は?」
「ぐっ!」
「容赦ないんだゾ…。」
「本人が隠したいんだし、
無理して聞き出さなくても…。」
「まぁ、そうかも知れないけど。
ユニーク魔法持っているって分かった以上、こっちにキバ向けて来るかも知んないし、
知っていれば対策は立てられるよね?」
「…アンタ、性格悪いって
よく言われねーか?」
「ありがとう。」
「褒めてねーよ!!なんなんだ!!
コイツは!!」
エースは、呆れた様に俺を見た。
「コイツは、こう言う性格だから諦めろ。
言った方が早いぞ。」
ペリー…、とりあえずPって呼ぶか。
「それじゃあ、教えてくれるP?」
「…おい、待て。
なんだその名前は。」
「略した。」
「略し過ぎだろ!!
…俺の事はペリーと呼んでくれ。」
「分かった。…ピーちゃん。」
「呼ぶ気ねーだろ!?」
ピーちゃんは何かを諦めたように、身の上を話し始めた。
「…俺は元々スパイ一家の出身なんだよ。」
その割にはー。
「感情を、制御出来てなかった気が
するが。」
「オイ!言っていい事と悪い事が
あるんだゾ!!」
…どっちもどっちだって思う。
「うっ!しょうがねーじゃん!!
ユニーク魔法使えば完璧に溶け込めるけど!使えない時はモブAだし!!
あんなめちゃくちゃな寮長だって
思わなかったし!!」
溶け込める?つまりー。
「潜り込むのが得意なユニーク魔法
だと。」
「…ま、そんな感じ。
俺の『二重生活』は相手に違和感なくその場に溶け込む事が出来る。例えば、オクタヴィネル寮に忍びこんだとする、勿論服はオクタヴィネルの服だ。周りに違和感なくオクタヴィネル生だと思わせる事って出来ると思うか?」
「難しいだろ、怪しい奴がいるって事で終わりだ。」
だが、ピーちゃんは自信あり気に語った。
「それが出来るんだな!
オレのユニーク魔法なら!!」
…ピーちゃん、スパイ一家なんだよね?
にしては、情報漏らし過ぎじゃない?
「ふーん。」
「そうなのか。」
「興味無いのかよ!?」
「じゃあ、話すんだゾ。」
グリムが呆れた目で見つめながら、
話をする様に促してきた。
「ぐっ!どいつもこいつも…!!」
「ピーちゃん、知りたいから教えて。」
真剣な顔で、そう言った。
するとー。
「し、しょがねーな!!
話してやるよ!!」
…チョロ過ぎて心配になって来た。
「オレのユニーク魔法を使えば、オレは最初からその場にいたってレベルで溶け込む事が出来るんだよ!だから、3年生の中に友人としてオレが会話に混じっても、ソイツらは全員友人って認識して、違和感を抱かない訳!!」
確かにそれなら、騒がれないだろう。
つまりコレはー。
「相手の認識を歪めるユニーク魔法
ですか?」
「オレもよく分からないけど、そうだと思う。このユニーク魔法使って大分経つけど、
オレが親友だって思って相手に話かければ
相手もそう思ってくれるし。」
…確かにコレはスパイ向きだ。
けどー。
「今何も出来ないのは首輪で力を封じられているから。
本来なら、もっと活動的に動く予定だった。
しかし、予想外のハプニングが起きてー。」
「あー、ハイハイ!
もっと冷静に対処するべきだった!
両親にも言われてんだけど!
『ユニーク魔法に頼り過ぎていて、
普段は頭に血が昇りやすい。そんなんで、
スパイ出来るか、バカ息子。』って言われて、出来るわ!みたいになって、学園でスパイ成功させたら認めろよな!オレの事!みたいに…。」
なんか、ぐだぐだだな。最後は自分の事
語っていたし。でも、このユニーク魔法は使える。…今は無理だけど。
「それだけ便利な力なら、ハーツラビュル内で利用しているのでは?」
「…まぁ、使っていたよ。
ハーツラビュルってルール厳しいし。」
「ルールを知っていたのに、
破ってしまったと。」
「しょがねーじゃん!!普通に考えて
あり得るか!?1分遅れただけだぞ!?」
「わかるわ〜、タルト一切れ食っただけで
とか無いよな!」
「タルト?」
2人とも、反省する気が無さそうだから正論を言ってやる。
「ピーちゃんは、5分前に目覚ましセットするとかいくらでも方法はあった筈。
それを怠ったのは、ピーちゃんのミス。
後、エースはタルト盗み食いなのに
なんで開き直っているの?謝る気ある?」
「…なぁ、コイツ本当に味方か?」
「…一応。」
正論言ったら、酷い言われ様だ。
やっぱりこの学園は、治安が悪い。
「まぁ、ルールは沢山あるんだけど…。
なにから説明したらいい?」
そうだな、寮長に会いに行くしその辺りの
ルールが知りたいな。
「寮長に会いに行く際のルールを
教えて下さい。」
「寮長…?なんで?ハッ!まさか!!」
「しませんよ、ヒントはタルト。」
ピーちゃはその言葉に数分悩んでいたが、
後に分かった様で安心した様に息を吐いた。
「よかった〜、
てっきり差し出されるかと…。」
「だからしませんって、約束だし。
…それに使えそうなユニーク魔法ですし。」
「めちゃくちゃ悪い顔しているんだゾ…。」
そうかな?普通だけど…。
「くっそ〜、ユニーク魔法のこと
話さなければ良かったー!!」
「で、ルールとかあるんですか?」
「…アンタマジで、こえーわ。
まぁ、タルトは持って行った方がいいん
じゃないか?」
エースが眉を顰めながら、聞いた。
「なんでだよ?」
「ハート女王法律・第53条
『盗んだものは返せなければならない』
だし、タルト返せー!!ってなりそうな気がするんだけど…。」
「ハァー?面倒くさー、
手ぶらでいいよ。」
確かに今から準備するには、時間が足りない。相手の手のうちを見る意味でもいいか。
「そうだね、今からじゃ無理だし。」
「いいのか?」
「うん、追い出されたら追い出されたで
敵の手のうちが見えるからね。」
ピーちゃんが、腹の底から声を出してツッコんで来た。
「だから!悪役なんだよ!セリフが!!」

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