人生2周目〜ツイステの世界でやり直し〜⑧
第八章〜終焉〜
化け物を無事に倒した。
ふぅ。疲れた…。
「…やっぱりオメェはスゲーよ。
なのに、なんで…。」
エースが何か呟いた気がしたが、
聞こえなかった。
「ありがとう!ユウ!」
「えっと?」
「君には沢山助けられた。
だから、ユウって呼んでいいか?」
…こっちは、勝手にデュースって呼んでいたのに。律儀な奴だ。
「…うん、いいよ。
これからよろしく、デュース。」
「ああ!!」
グリムは、何か落ちている事に気が付いた。
「…ン?コレ、なんだ?」
「さっきのバケモノの残骸か?」
不思議な石だ、化け物の残骸なら危険なので触らない方がいい気がする。
「クンクン…
なんだかコレ、
すげーいい匂いがするんだゾ…」
イヤな予感…。
そう言ってグリムは食べた。
「…グリム、身体に異常ない?」
「ないんだゾ!!それどころか美味だゾ!」
「そうなの?なら今度…。」
「絶対やめろ。」
「君は、変な物を口にする
趣味があるのか?」
2人にめちゃくちゃ罵倒された。
…食べるのはやめておくか。
戻ると、学園長に本当に持って帰るなんて思わなかったとか散々な言われ様だった。
…まぁ、教師ってこんなもんだよな。
グリム達は納得いかず学園長に
文句を言っていたが。
しかし、学園長が化け物の話を聞いた途端に態度が変わった。
学園長の部屋で詳しく話す事になった。
何があったが話している間、学園長は黙って聞いていてくれた。
だが、話終わるといきなり泣き出した。
…今の話で、泣くポイントあった?
「ナイトレイブンカレッジ生同士が
手と手を取り合って敵に向かい打ち勝つ日がくるんて!」
…どんだけ協調性ないの、この学園。
いや、治安最悪なのは知っているけど。
学園長は感動しながら、言い切った。
「やはり私の目に狂いはなかった!
貴方には間違いなく猛獣使い的な
才能がある!」
…そう言う割には、一生雑用とか扱いが
雑だった気がする。
「今回のご褒美として、
グリムくんにはコレを。」
そう言ってグリムの首に、何かをかけた。
「なんですか?コレ?」
「普段生徒は魔法を使う際、マジカルペンを使いますが、グリムくんは使えないでしょう?なので、特別カスタムした魔法石です。これを学園の生徒の証として。」
…と言う事は。
「今までは、学生じゃなかったと?」
学園長は、大袈裟に咳をして誤魔化した。
「ゴホン!ただし、グリムくんの監督生としてユウくんもつく事!」
…変だと思った、治安維持とか言っておきながら石像の掃除とか雑用だもんなぁ。
「…ホントウか!?」
「特別ですよ。」
グリムは、ぴょんぴょん嬉しそうに跳ねようとするがそれを止める。
「ここ、高そうなモノが多そうだしね。」
「さっそく、監督生が板に付いてますね。」
「そんな事は無いです。」
「そんな事より、ハイコレ。」
「カメラ?」
「ハイ、このカメラは特別製で被写体だけでは無く魂の一部も写す事が出来るのです。」
「で?」
「このカメラで、生徒やグリムくんを撮影し
学園の生活を残してください、治安維持の一環として。…それではまた。」
まぁ、写真ぐらいなら。
というか、治安維持って言葉を使って雑用を押し付けてないか?
学園長室を出て、廊下を歩いていた。
辺りはすっかり真っ暗だ。
「るんるん〜〜♪」
グリムが調子に乗っている、注意深くみておくか。
「グリム、嬉しそうだね。」
「当たり前なんだゾ!、この学園に入るのが夢だったんだゾ!」
…知らなかった、あ!だから。
「服、欲しかったの?」
「あの時は、大変だったんだゾ…。」
「なんとなく、ユウは最初からボケてそうだな。」
「照れるな。」
「「だから、褒めてねーよ!!」
「住んでいる場所は、あの廃屋だっけ?」
「そうだよ、グリム命名で「オンボロ寮」って呼んでいる。
ゴーストも一生に住んでいて中々楽しいよ。」
エース達は、呆れた顔をして来た。
「…テメェだけだろ、それ。」
「そうかな?今日のゴーストよりは
温厚だし、話が通じるよ。」
「だから、今日話が通じないって分かった途端に倒そうとしたのか…。」
「倒した方が早いよね?」
「そうかも知れない。」
デュースも、同意してくれた。
「この脳筋コンビ!!」
ムッ。失礼な、幽霊だけだ。
「はぁ、疲れたからもう寝るわ。」
「おやすみ、エース。デュースも。」
「…おやすみ。」
「おやすみ!ユウ!」
消えていく2人を見送った後に俺らも、オンボロ寮に戻る事にした。
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