人生2周目〜ツイステの世界でやり直し〜⑨

第九章〜タルト騒動〜

懐かしい映像を見ていた。
トランプ兵が薔薇を赤く塗る夢。
これはディズニーの映像だ、
確か題名はー。 

「ツナ缶〜〜〜!!」
グリムの寝言で目覚めた。
どんな夢だ。
それにしてもさっきの夢…、というか映像。
昔見たディズニー映画の内容だったな。
グレート・セブンもそうだけどドワーフ鉱山もディズニー映画を思い出す感じだった。
それにしては不思議な感じだけど。
グレート・セブンは、恐らく歴代の
ヴィランズだ、そんな存在が拝まれている。
グレート・セブンの話や寮の傾向をレオナさんに聞いたが、やっぱり歴代のヴィランズの傾向に当てはまる。ただグレート・セブンの伝承は俺が知っているヴィランズとは違うか気がする。なんかプラスに捉えられていたし。そんな事を考えていたら、扉が叩く音がした。
「なんだあ?お化けのヤツらか?
諦めわりーんだゾ。」
グリムは寝ぼけた顔で言った。
「無視しようか。」
「いいのか?」
「こんな夜中に来るって事は絶対ー。」
ロクな事では無いと言いかけたが、
激しくノックを連打されて掻き消された。
「…アレ、開けるまでノックし続けるつもりなんだゾ。」
参った、開けるか。
開けると、何故かエースがいた。
首輪付きで。
「…えっと、何かのプレイ?」
「そんな訳あるか!!
…とにかくハーツラビュルには戻んねぇ。
ここの寮生になるわ、よろしく。」
そう言うと、エースはオンボロ寮に入りこんで来た。勿論グリムは納得して無いので、理由を聞く。
「待つんだゾ!!
どうしてそうなるんだゾ!」
「後、寮ってそう簡単に
変えられる物なの?」
変えられ無いイメージがある。
あの鏡が「帰る場所が〜」みたいな事言っていた時、学園長は「あり得ない」って言っていたし、鏡の言葉は絶対だって
信じている感じがある。
レオナさんの話だと、病みの鏡…じゃない。闇の鏡で寮を決めているらしいから、鏡の言葉が覆らない限り、寮とか簡単に変えられ無いって思うんだけど。
「…聞いてないな。」
気が付いたら、もう上がっているし。
「うわっ!ボロっ!!」
「いい所だよ、寝れるし。」
「基準そこかよ!!」
「それで?何したの?」
チラリと首輪を見る。
「オレが悪いの前提かよ…。」
エースが拗ねた様に言う。
「首輪つけられるぐらいだし、
よっぽどじゃない?」
「…タルト食った。」
「えっ?」
「だから!タルト食ったんだよ!」
よっぽど食ったんじゃー。
「…一切れ。」
「えっ。」
「なんか沢山食ったんだろって顔してたから言っておくぞ、一切れしか食ってねーよ!」
治安最悪とか思っていたけど、
ここまでとは…。世紀末かな?
「そんで、寮長に罰として
つけられたって訳。」
「成る程…、それ外せないの?」
「無理、寮長のユニーク魔法は強力だし。」
「ユニット魔法?」
「ユニークな!一緒になってどうする!!」
「それもそうだね、ユニークって事は
その人固有のって感じ?」
「まぁな…寮長のは特に強力で
魔法を一定時間封じる事が出来る。」
「つまり今のエースは、無力なんだね。」
エースが悔しそうな顔をする。
「…ユウって容赦ないんだゾ。」
「そうかな?」
まぁ現状は分かった、
しかし何故オンボロ寮に来たか分からない。
謝ればいい話だ。
「謝ればいい話じゃないの?
土下座でも何でもしてさ。」
「…プライドとかない訳?」
あ、蓮にも言われたセリフだ。
「それで首輪外れるなら良いんじゃない?」
「…やっぱテメとは価値観が合わねーわ。」
だろうな。
「まぁ、価値観云々は置いといて誠意を見せるのは必要だと思う。だから本当に心から反省してますって事を見せれば外してくれるんじゃないの?」
「…。」
嫌そうな顔だな…。
「プライドと、魔法使えないのどっちが嫌?」
エースは、数分悩んだ後小さく呟いた。
「…魔法。」
「そ、なら謝ろう、頑張って。
「…協力しろ。」 
「えっ。」
なんて言った?
「…俺の事、嫌いなんじゃなかったの?」
嫌いな癖にオンボロ寮に来るし、よくわからないな。
「嫌いだよ!大っ嫌いだ!けどな!アンタは、利用価値がある!だから今回も利用させてもらう!」
成る程、それなら納得だ。
寮に来たのも泊まる場所が欲しいから。
今回、協力を頼んだのも1人だとプライドが邪魔して上手く行かない可能性があるって所か、治安維持として頼まれているのもあるし、協力を断る理由も無いな。
「分かった、治安維持を頼まれている事もあるし、協力するよ。」
「…じゃあ頼むわ。」
ん?なんで、エースは後悔している様な顔をしているんだろう?当たり前の事を言っただけだ。俺に利用価値があるから利用する。
普通なのに、なんでー。
エースは、俺の方を見ない様にしながら
言った。
「とりあえず、寝る場所貸してくんない?」
「しょうがない、ベッド貸してあげる。」
「オメーは?」
「俺?ここで寝るよ。」
そう言って床で寝ようとした。
「ハッ?」
「意外と床って快適ー。」
「そこまで鬼じゃねーよ!分かった!
俺が床で寝る!!」
「…ユウが関わるとエースってオカンになるんだゾ…。」
そんな事は…あるな。
「お母さん…。」
「誰が母さんじゃい!!」

凄い音がして目覚めた。
「なんか凄い音がするんだゾ!」
「つーか、うるさ!音!!」
「エースもあんな感じだったよ。」
「…。」
まぁ今更客人が増えても同じ事か、
そう思って開けるとー。
「やっぱり、ここにいたか。」
「デュース、おはよう。」
「ユウ、おはよう。…じゃなくて!
エースお前、寮長のタルト盗み喰いして首輪を嵌められたらしいな?」
うん?盗み喰い?聞いていた話とは違うな。
「デュース、エースってタルト盗み喰いしたの?聞いた話だと、タルト一切れ食べて罰としてみたいな話だったけど…。」
エースが口笛を吹いている。
つまりー。
「ユウ、騙されたな。
エースは寮長のタルトを盗み喰いしたんだ。」
「うん、首輪つけられても仕方ないね。」
「おい!?」
「俺は、タルトがどれぐらいあったか分からないしどんな事情かも分からない。
けどそのタルトは、もしかしたら寮長は凄い楽しみで最初の一口は自分が食べたかったとかあるだろうし、断りもいれずに食べたら泥棒と一緒だよ。」
「ユウの言う通りだな。」
「うっせ!…ところで、寮長、まだ怒っていた?」
「そうでもない。すこしイライラしている様子で起床時間を守れなかった奴が…3人ほどお前と同じ目にあってたぐらいだ。」
…それは機嫌がめちゃくちゃ悪いって事では?
「…エース、早く謝らないと。
犠牲者が他に出ない為にもにね。」
「…やっぱ性格最悪だわ、お前。」
「ありがとう。」
「だから!褒めてねーよ!!」

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