人生2周目〜ツイステの世界でやり直し〜⑦
第七章〜闘争劇〜
とにかく逃げる方向にまとまったので、
逃げているのだがー。
「多いね、ゴースト。」
「多過ぎだろう!!」
「もうまとめて、処分出来たら…。」
「だから!発想が物騒!」
そんな話をしていたら、ゴーストに見つかった。
「いたぞ〜。」
「つかまえろ〜。」
正直、体力は無い方なのでクタクタだ。
だから言った。
「…俺の事、置いて行っていいよ。」
「えっ?」
「俺さ、体力無くて…、限界だし、
だからー。」
「…。」
だが、エースの取った行動は予想外だった。
「へっ?」
俺を俵担ぎして、走っている。
「デュース!狸!逃げんぞ!」
「了解!ナビは任せろ!」
「狸じゃねー!!グリム様だゾ!!
何度言ったら分かるんだ!!」
ハッキリ言って、混乱していた。
あの状況なら、見捨てるのが一番だ。
見捨てても、俺は責めない。
なのに、なんでー。
「何でって顔してんな!アンタ!!
マジで腹立つ!絶対言ってやんねーわ!!
自分で考えろ!!」
無事にゴーストから逃げ切れたので、
エースから下ろしてもらう。
…そうだ、お礼。
お礼を言わないと。
そう思っていたが、謎の声が聞こえて来た。
振り返ると、頭に帽子。
服はー。
「観察している場合じゃない!!
とにかく逃げるぞ!!」
デュースの言葉にエースは、頷くとまた俵担ぎされた。
…そんなに、ひ弱に見える?俺?
見えるか、全体的に細いしなぁ。
「なんだあのヤバイの!?」
「うん、初めて見た。
この世界だと普通なの?」
「そんな訳あるかぁぁぁ!!」
化け物が近づいてくる、何かを呟いている。
「イジ…イシ…、ハ…ワダサヌ…!!!」
イシ、石。なら、もしかしてコイツが目的の物を持っている可能性も…。
「ここに魔法石が!!」
「むむむむむりむり!
いくらオレ様が天才でもー。」
まぁ、無理。
相手の弱点とかわかれば、やりようが
あるけど何にも分かってないし…。
「だが魔法石がなければ退学…俺は行く!」
デュースは、本気だ。
でも、無謀過ぎる。
せめて何か分かってからでも…。
「カエレ!カエレ!!カエレ!!」
そう言ってデュースを攻撃しようとする。
手頃な石を見つけて、ぶつける。
「ウゥゥゥゥウォオォォ!!」
「…ここまでで、大丈夫。」
そう言って、エースから離れた。
「オイ!」
「俺が囮になる、その隙に弱点とか見つけて欲しいんだ。…じゃあね。」
…あっちにはゴースト。
でもエース達が逃げる時間は作れる。
化け物は、目論み通り付いて来た。
…エースには、さっき助けて貰った。
借りは返せたかな?
そんな事を思っていたがー。
「ふっざけんじゃねー!!」
その声と共に風が化け物に当たる。
「フナ〜〜〜!」
「オラァ!」
デュースと、グリムが攻撃している隙に
エースが俺の手を引っ張って、逃げた。
よく見ると、エースはボロボロであり、無理して来たのが分かる。
…俺、お前の事蓮に似ているって思っていたけど違うな。蓮は、こんなにボロボロになるぐらいなら俺を助けないよ。
アイツとは親友だったから分かる。
無謀な事はしないんだ。
けどエースお前はー。
「全員無事だな!?」
デュースが全員の無事を確認し、
ホッとした。
グリムは、今まで見た事の無い顔で
怒ってきた。
「子分のくせに勝手にいなくなるなんて!
反則なんだゾ!!」
随分と心配をかけてしまった様だ。
「…ごめん、みんな。
心配かけて。」
エースは、そっぽをずっと向いていた。
「…それで、どうする?アレ。」
「諦めきれるか!
魔法石が目の前にあるのに!!」
そうは言っても、アレをどうにかしない限りはどうしようもない。
「魔法とかで、何とかならない?」
「魔法は、万能じゃないんだ。」
「そうなの?」
なんでも出来るイメージがあった。
「強くイメージ出来なければ魔法は具現化しないし、大がかりな魔法や複雑な魔法の使用には訓練がいる。」
「だからこその学園?」
「そうだ。」
魔法は、万能じゃないか…。
相手は強大であるのに対してこちらの戦力は、0に等しい。
もうデュースにー。
「あの鍋召喚してもらって
ぶつけるしかない。」
「それだ!!」
「デュース、もう一度鍋出せるかな?」
「おい!一回出してみろ。」
デュースは頷き、集中した。
「鍋、鍋、いや?デカイから大釜か?」
「アイツ、下んない事で悩んでんだゾ。」
グリムが呆れながら、言っていたら
それはいきなり降ってきた。
「フナッ!?」
…これは調整が必要かも。
「…なんか出現までラグがあるから、
俺らで調整しよう。」
「しょうがないか。」
そして、作戦を開始した。
「やい、バケモノ!
コ、コココッチなんだゾ!」
化け物は、声を上げる。
グリムは、それだけでびびっている
様であった。
「ユ、ユウ〜!!」
グリムが心配そうに見上げてきたので、
大丈夫と言う合図を送る。
所定の場所に移動した化け物をエースと
グリムの魔法で捕らえる。
「うっし!」
「頼んだんだゾ!!」
その声と共にデュースは、大釜を召喚する。
…痛そうだな。
「よし!今だ!!」
そのまま内部に侵入した。
「よっし!魔法石があるな!」
「あったね、めちゃくちゃ
分かりやすい場所に。」
魔法石を取ると、外から音がする。
「…諦めてないみたい。」
「魔法石は、回収したし
ズラかるんだゾ!」
エースにあらかじめ言っておくか。
「俺、そんなにひ弱じゃないから
俵担ぎしなくてもー。」
…またされた、なんで?
「逃げた前科があるからな。
こっちの方が安心出来るわ。」
そう言ってしっかり掴まれた。
…これは、逃げられない。
「ここまで来ればー。」
「マジ…?」
まだいる、さっきよりは弱ってはいるけど。
「…やるしかないか。」
「だな。」
「後、エース。
降ろす気はー。」
「無い。」
どんだけ信頼無いんだ、俺。
「で、どうやって戦う?」
「そういえば、前にデュース。
エースを投げる行為をしていたよね?」
「まさかオレを投げるって話じゃない
よな?」
「しないよ、したら俺も巻き込まれるし。」
「なら…。」
何を飛ばすんだとエースが言いかけて、
誰も居ない家を指さした。
「アレを投げて、ぶつけよう。
誰も居ないし壊しても問題無い。」
だが、デュースはー。
「無理だ!あんな重い物!」
「魔法は、イメージって話だったよね?
なら、アレはお菓子の家でめちゃくちゃ軽いってイメージしてみて。普通の家って思うから、投げるのが不可能だって思うんだ。」
デュースは、黙っていたがやがて決意を決めた様な顔をした。
「アレはお菓子の家、お菓子の家。
軽い、軽い!!いけえぇぇぇっ!!」
予想以上に上手く行った。
家は、化け物に衝突した。
「よし!これなら!」
「まだ油断しないで。」
モゾっという音がして動き始める。
「マジかよ!?アレで!?」
「エースと、グリムは風と火の合わせ技で
攻撃して。」
「そんなんでー。」
「いいから早く。」
「分かったよ!!」
「フナ〜〜〜!!」
「グウゥゥゥゥウォオォォ!!」
「効いている!?」
「…やっぱり家をぶつけて
正解だったみたい。」
「ハッ?」
「あの家って、木で出来ているんだよ。
だから、火を加えればー。」
「成る程な…、風を加えたのは?」
「ほら料理とかの時に風を加えると、
火が燃え上がるでしょう?
だから更に火力を上げる為にね。」
化け物は、丸焼きにされてフラフラだった。
まだ最後の一手が足りないらしい。
「デュース、あの大釜召喚出来る?」
「任せろ!」
大釜によってペシャンコになった化け物。
「うん、この状況で火炙りにしよう。」
エースは、こっちをジト目で見つめて来た。
「…お前ってさ、
外道ってよく言われない?」
「ありがとう。」
「…褒めて無いんだけど!!」
こうして化け物は、完全に消滅した。
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