人生2周目〜ツイステの世界でやり直し〜②
第二章〜騒動〜
俺達は、謎の石像の前に居る。
何故居るかというとー。
今から数時間前、寝室に学園長が来た。
「おはようございます!仕事ですよ。」
「はい?」
「全く…、忘れたのですか?
貴方達には治安維持を務めさせると。」
ああ、思い出した。
そんな話だったな…。
「しかし!
貴方を認めて無い方も多くいます。
そこで!」
…嫌な予感がする。
「学園の生徒の悩みを聞く事で、
貴方の事を認めさせる事にします!
まずは最初のステップとしてこれ。」
…バケツと、モップ?
「ハイ、この学園にある石像の掃除を
お願いします。」
「…つまり、雑用をやれと?」
「あの石像は、とても大事な物です。
それを掃除する事は信頼に繋がる事
ですよ。」
深い溜息を吐く。…断れなそうだな、コレ。
知っている、こういうタイプは何を言っても聞いてくれないんだ。
「…分かりました、グリム起きて。」
そう言って、イビキをかいているグリムの頬を引っ張って起こした。
「ふみゃゃああ〜〜〜!!」
…そんなに驚かれるとは思わなかった。
とりあえず挨拶をするか。
「おはよう、グリム。」
「おはよう、じゃねーんだゾ!!」
「もしかして、痛かった?」
「痛かったに来まってんだゾ!!」
「次は、冷水を浴びさせて…。」
「そんな事したら、
オレ様の火が消えるだゾ!!」
「それもそうだ。」
学園長は、埒が明かないと判断して会話に入って来た。
「コホン!グリムくん!
貴方には、石像の掃除をして貰います!」
「なんでそんな面倒くさい事しないと、
いけないだゾ!!」
「貴方達は、学園の生徒に認められて
無いからです。その最初の一歩としてね。」
「納得行かないだゾ〜〜〜!!」
「グリム諦めて。
この手の人は、何言っても聞かないよ。」
「…貴方、本人を前に悪口を言う癖が
あるのですか?」
聞こえない様に喋っていたつもりだが、
聞こえていた様だ。
そして現在、石像の前にいる。
「うう〜〜、
なんでこんな事しないといけないゾ!!」
「まあ、学園長命令だし。
とっとやろう。」
始めようとしたが、視線が気になる。
目を合わせると、凄い勢いで顔を逸らされた。
「アイツだろ?
レオナ先輩に無礼な口聞いたの…。」
「レオナ先輩に睨まれても、逆に睨み返したとか…。」
「俺は、殴ったって聞いたぜ!!」
「俺は、齧ったって!!」
「「「「コエ〜〜〜!!」」」」
…何、その噂。
俺に対する悪い噂が流れているのか。
見られているのに気が付いたのか、
生徒は慌てて過ぎ去って行った。
呆然としていると、肩を叩かれた。
振り返ると、なんかチャラい男がいる。
…雰囲気が蓮に似ていて、苦手だ。
「昨日の騒動見たんだけど、
アンタ凄いな!」
「えっと…、どちら様?」
「ああ、オレ?
エース・トラッポラ。」
「よろしく、トッポギくん。」
「誰がトッポギだよ!
見ていた時から、思っていたけど
相当な天然だな!アンタ!!」
…やっぱり、蓮に似ている。
苦手かも知れない、彼は。
「それで、えーっと
トッポギじゃなくて…。」
「エースでいいわ。
アンタにトラッポラとか言わせると
永遠にトッポギって言いそうだし…。」
失礼な、そんな事は無い。
無い筈だ、グリムに聞いてみるか。
「そんな事無いよね?」
「絶対言うんだゾ。」
「…。」
信頼が無い、酷い。
「で、ここで何してんの?」
「ああ、実は…。」
エースに事情を話した。
「成る程ねぇ、
だからグレート・セブンの像を。」
「グラニュートウの像?」
「ちげっーわ!!
どうしたら、そう聞き間違えるんだよ!!」
「なんだ、そのグレート・セブンの像って
分からないんだゾ!」
途端にエースは、
馬鹿にした様な顔をして来た。
「アンタら、グレート・セブンも
知らないわけ?」
この手の奴の挑発に乗っては、駄目だ。
だから、素直に聞く。
「…知らない、だから教えてくれる?」
エースは、俺の態度に驚いた様で
頭を掻きながら溜息を吐いた。
「調子狂うんだけど!!」
「ごめん。」
「謝んな!
こっちが悪いみたいになるじゃん!」
…どうしたら、いいんだろう。
相手の顔を見て、
いつも謝ってばっかりだった。
彼にはこの対応は、よくなかったみたいだ。
「…この世界にかつて存在した偉大なる存在がグレート・セブンって訳。
彼らは憧れの存在だよ。」
「じゃあ、寮もグレート・セブンと関係あるの?」
「なんでそう思った訳?」
「ここに来るまで、学生の制服の色が違ったから。学生の制服の色が、この石像の数と
一致すると思ったんだ。」
エースは、関心した様に俺を見た。
「…ふーん、ただの天然って訳じゃ無さそうだな。…そこの狸と違って!」
あ、グリムを煽って来た。
グリム耐えられるかな。
「なんだと〜〜〜!!」
無理だな、コレは。
「フナ〜〜〜!!」
グリムが火を吹いた。
うん、危ないからやめて欲しいけど。
無理だろうな…。
「うわっ!!あぶねぇ!!」
エースは、そう言って反撃して来た。
なんだ?アレ?
「うぐぐっ〜〜!!生意気なんだゾ!」
「なんだ?喧嘩か?」
「やっちまえ!!」
…この学園、治安最悪。
学園長が治安維持に任命したのも分かる気がする。
2人の喧嘩?は、終わらない。
それをぼんやりと眺めていた。
…あ、今鳥が飛んでいたな。
何の種類だろう?
「くらえ!」
「そんなん風で矛先を変えてやれば…
そら!」
エースのこの行動が不味かった。
石像が丸焦げになる。
具体的には、赤い服が特徴的な石像が。
エースの顔が、真っ青になる。
「ハートの女王の石像が黒焦げに!」
成る程、アレはハートの女王って言うのか。
よくよく見ると、
昔見たディズニー映画の悪役ぽいな、全員。
そんな事を考えていたら大声が響いて来た。
「こらー!!なんの騒ぎです!!」
あ、コレは怒られるな。
「げッ!学園長…。」
2人は、一目散に逃げようとしたが学園長は、鞭でしばいていた。
2人の悲鳴が響き渡る。
…見た目も極まって、変態ぽいな。
やっぱり。
「グレート・セブンの像を丸焦げにするなんて!よっぽど退学にさせられたいと思います。…それからユウくん!」
「はい?」
「貴方、治安維持を頼んだでしょう。
何故こんな事に?」
…いや、いきなり喧嘩?が始まったし。
「さぁ?最初は可愛い口喧嘩だったので…。」
学園長は、溜息を吐いた。
「3人には罰として窓拭き掃除100枚の刑を命じます!」
成る程、そう来たか。
「まぁ、100枚ならマシかな。」
「マジかよ!?」
「罰ゲームで、500枚とかあったし。」
「どんな環境だよ!?」
アレは散々だった、1人でやらないといけなかったし手が死にかけたし、帰りが遅い事で叔母さんに怒られるし。
「…なんか分からないけど、お前に比べれば100枚とかマシな気がしてきたわ。」
「…話がまとまった様なので、
放課後大食堂に集合、いいですね。」
グリムはぶつぶつ文句を言っていた。
そして、最後に呟いた。
「昨日から散々なんだゾ〜!」
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