人生2周目〜ツイステの世界でやり直し〜㊶

第四十一章〜スカラビアの発言〜

また?前回もライオンキングの映像の夢見たけど。…懐かしい、確か蓮とシンバ側か
スカー側かで喧嘩したな。
因みに俺はスカー側だった。
だって、味方がいない。
孤独だって思ったから。

目を開けると、朝だった。
またか。ディズニー関連なのは、ここに来る前にディズニーの映画を見ていたからか?最初は分かる。俺が再生したのは『不思議の国のアリス』だし。でも次は?『ライオンキング』だし。ライオンキングは再生してない。昔良く観ていたし、その記憶が再生された
とか?そんなことを考えていたら、
グリムに額をペチペチ叩かれた。
「おーい!大丈夫か?」
「おはよう、グリム。」
「オッ、ユウ!やっとお目覚めか。
もう朝食の時間なんだゾ!
チーズオムレツ!」
「なんでチーズオムレツ確定なの。」
「昨日、お願いしたらオッケー
したんだゾ。」
…寝ぼけている時に敢えてお願いしたな、
グリム。
「分かったって。ハム使い切りたいし、
ハムチーズオムレツにしていい?」
「ハムチーズオムレツ!!
やったんだゾ!!」

グレートセブンの石像の前を歩いていたら、グリムが聞いてきた。
「そういやオマエ、昨日の夜どこか出かけていたのか?トイレに起きたら居なかった
んだゾ。」
「ちょっと目が覚めちゃって…、外に風を浴びに行っていたんだ。」
グリムのせいだけどね。
…強めに蹴られたし。
「ふーん。」
「あ、そうだ。」
「なんかあったのか?」
そうだあのとき、廃墟太郎にあったんだ。
「変人にあったんだ。」
「…オマエに言われるなんてよっぽどなん
だゾ。で、どんなヤツだったんだ?」
グリムに昨日の夜あった出来事を話した。
「ほぇー。頭に角が生えたヤツかあ。」
「好きに呼べって言われたから、廃墟太郎って呼んでいるけど。」
「…ちょっと呼びにくいだゾ。」
そうかな?
「『ツノ太郎』なんてどうだ?」
まぁ、そっちの方が呼びやすいか。
「じゃあ『ツノ太郎』で。
よろしく『ツノ太郎』。」
「オレ様はツノ太郎じゃねーんだゾ!?まぁツノ太郎も学園の生徒なら、そのうちひょっこり会うかもな。そしたらオレ様にも紹介してくれよ。しっかし角かぁ…。」
「この世界じゃあ、普通じゃないの?」
人魚とか頭から耳生えているヤツいるし。
「角が生えた人間なんて見た事
ねぇんだゾ!」
そうなのか、この世界でも珍しい部類なのかな?角が生えている時点で人間じゃないと思うし、ツノ太郎も俺の事『人の子』って
言っていたから人じゃない気がするな。そんな事を考えていたらケイトくんとリドルに話しかけられた。
「おはおはー、ユウちゃん。」
…凄いな、昨日のマジフト結構きつかったと思うけどケイトくん割とピンピンしているな。
「ん。ユウ、少しタイが曲がっているよ。
ルールの乱れは衣服の乱れから。」
ドラマだけだと思っていたけど、リアルにあってそれを自分が経験するとか思わなかっ
たな。
「…うん、これでよし。」
「ありがとう、リドル。」
「べ、別に。」
俺としては素直にお礼を言っているだけなんだけど、リドルにとってはダメなのかな?
悩んでいると、ケイトくんが耳打ちで教えてくれた。
「アレ、別に怒ってないよ。照れ隠しっていうか…。」
なら良いかな。
「うーん、ユウちゃんって鈍いとこあるよねぇ〜。」
「?」
「あはは〜、…ところで昨晩また1人怪我人が出たらしい。」
マジか。まぁ、真犯人捕まってないし当たり前だけど。
「目撃していた肖像画くんの情報によると、怪我したのはスカラビア寮の2年生。ジャミル・バイパーくん。調理室で事故にあったらしい。」
ジャミル・バイパーって確かピーちゃんの話だと、「カリム寮長の従者って言うか、保護者?」みたいなこと言っていたな。
「今なら朝食の時間だし、大食堂にいるかも知れない。行ってみよう。」
「あれ?エース達は?」
「ああ、彼らはハートの女王の法律第249条にのっとってピンクの服でフラミンゴの餌やり当番中だ。」
なにそれ、ちょう見てみたい。

大食堂に着くと、楽しげに食事をしている者達がいた。…正しくは片方が一方的に話続けて片方は呆れて聞いているって感じだけど。
あの片方がジャミルさんで、もう片方がスカラビアの寮長カリム・アルアジームさん
だな。
「オイ!ジャミルはどんなヤツなんだゾ!」
…前に一緒に写真見たのに。いや、グリム「ふーん」って感じで興味無さそうだったし記憶にない可能性あるけど。というか、今まで初めて会うヤツみたいな反応だったのは忘れている可能性大だな。
「えっーと、ジャミルくんは色黒で長い黒髪をした…おっ、いたいた!」
「よぉ、オマエ昨日調理室で怪我したヤツだろ?ちょっと話聞かせてくれよ。」
昨日の件を忘れたのか、グリムはめちゃくちゃ失礼な口調で聞いていた。もちろん相手の反応は悪くこうなるワケでー。
「はぁ?急になんなんだ、あんたら。」
ですよねー。
むしろこれで受け入れたらすごー。
「あっはは!なんだ?
おまえら面白いな!!」
…いた、受け入れるヤツ。めちゃくちゃ明るくて、なんかこの学園には珍しいタイプ。いや?エースとかも明るいけど、タイプが違うと言うかー。
そんなことを考えていたら、挨拶された。
「オレは、スカラビア寮の寮長カリム!それで、こっちが副寮長のジャミルな!!よろしくな!!」
はじめてかも、警戒されないで
挨拶されたの。
…まぶしっ!!なんか光ってない?
カリムさん。ヴィルさんとは違う光り方だ。
「…ユウです。で、この狸はグリムです。」
「誰が狸なんだゾ!グリム様なんだゾ!」
そんな俺達を見て、カリムさんは更に
笑った。
「あっはは!!なんか面白いな!!」
明る過ぎて、なんか…うん、見ているの辛くなってきたな。だって俺、根っこは暗いし。
「おい、勝手に紹介するな。」
ジャミルさんはジト目でカリムさんを睨んでいたが、やがてこっちを向いて質問をして
きた。
「…で?何故俺が怪我した話を聞きに?なんか企んでるんじゃないよな。神代ユウ。」
「えっ。」
「アンタのウワサは、知っているんでね。
…あの双子とつるんでいる時点で怪しい。」
この悪意をぶつけてくる感じ…、
安心するなぁ。
「…オイ、なんでニヤニヤしてんだ。」
「いや?この感じ安心するなって…。」
「気持ち悪い!!」
ひどい。正直な気持ち言ったのに。
「なんかユウちゃん、変だね〜。」
「…まぁ、そっとしておこう。」
「あっははは!!」
散々だな、本当に。

落ち着いたので、ジャミルさんは昨日の出来事を話してくれた。
「昨日の夜、俺はカリムに頼まれて調理室で夜食の羊肉の揚げ饅頭を作っていた。」
「なんなんだ!それ!ユウ!」
やっぱり食いついたか、グリム。
「後で作り方教えて下さい。」
「…まぁ、いいけど。」
「ジャミルの作る揚げ饅頭、ほっんとうに美味いんだ!後でみんなで食べようぜ!!」
「カリム、話の腰を折るな。」
…さっきから思っていたけど、2人とも軽口を叩く仲だしトレイさんとリドルみたいな幼馴染なのかな?
「あっ、悪い悪い。」
やっぱり、そんな感じがするな。
「具材を細かく刻んでいた時に何故か手元が狂って手を傷つけてしまった。」
「何故か」ってことはー。
「ジャミルの包丁さばきはウチのコック長も舌を巻くレベルなんだ。」
コック長?ってことは、カリムさんってセレブ?それは置いといて、ジャミルさんの包丁さばきはプロレベルってことだよな。
そんな人が手元が狂うなんてなかなか考えられない。
「マジフトの練習で疲れていたのか?」
「いや。俺はその程度ではー。」
「狂う筈ない、ですよね。」
「…、なんでそう思う?」
「先程カリムさんは、ジャミルさんの包丁さばきはコック長も舌を巻くレベルで上手いと言っていた。つまりはプロレベルです。包丁の扱いには気を配っているでしょうし、扱いにも慣れている。そんな人が簡単に手元を狂わせるとは思えない。」
「…続きは?」
ジャミルさんが続きを促して来たので、 
話した。
「そして、ジャミルさんはこう発言している。「何故か手元が狂って」つまりは、予想外だったワケです、手元が狂うのは。予想外でなかったなら、「手元が狂って」だけでいいワケですし。」
ジャミルさんは、溜息を吐いて俺を見た。
「…アンタは、敵に回したくないタイプだな。発言一つが命とりになる。」
「どうも。」
「褒めてないんだが。」
ジャミルさんはジト目で俺を見た後に、その時の事を思い出している様で眉に皺が寄っていた。
「今、考えても不思議なんだ。何故手を傷つけてしまったのか…、ただー。」
「ただ?」
「調理中に一瞬、意識が遠くなったような感覚があった。そして俺はあの感覚に少し見覚えがある。おそらく、ユニーク魔法の
一種だ。」
「!!!」
「そっか、ジャミルのユニーク魔法は
ふぁっフガフガ!」
…凄い勢いで、封じたな。まぁ、俺が知ったら厄介だって判断しての行動だろうけど。
「〜〜ぷっはっ!なんで口防ぐんだよ。」
「俺の話はいいから。」
めちゃくちゃ険しいな、顔。まぁ、あんまり言及しない方がいいか。機嫌損ねて話して貰わないとか困るし。
「とにかく、犯人が使ったのは相手の行動を制御できるような魔法だと思う。」
「なるほどね〜、だから目撃者的には本人の不注意にしか見えなかったってことか。」
全部大怪我とかじゃなくて、不注意だと見える程度。…まぁ、一歩間違えたら大惨事だけど。足の踏み外しだって、間違えれば頭から行くこともあるだろし鍋の件も大火傷に繋がる。今回のジャミルさんの件も一歩間違えれば、手を切断するなんてことに繋がりかねない。…犯人はそれを上手く調整している、出来る人物なんだ。
「もしそれが一瞬のことなら、被害者自信も自分の不注意か操られたかのか判別がつかないのかも知れない。」
「だろうね、例えば指を切断なんかしたら流石に異常だって感じるけどしてない。自然な感じで怪我をさせいる。それなら、周りは疑問は残らず不注意で終わる。
言い換えれば、証拠が残らない様にしているとも言えるよね。」
「確かにね〜、指を切断とか自分からやったらおかしいってなるもんね〜。ユウちゃんの話だと、証拠が集まるまでって話だったけどどうする?」
「どうとは?」
「今の話で、ラギーちゃんが犯人だって確信出来た。でも決定的な証拠がない。
…その状態でー。」
その状態でラギーさんに突きつけたところで逃げられるだけだ。なら、決定的な現場を抑えるために罠をはるか。
「罠をはりましょう。」
「なるほどな、それで?」
リドル達には、作戦を話した。
リドルは呆れながら承諾してくれた。
この作戦には彼の力が必要だ。

0コメント

  • 1000 / 1000