人生2周目〜ツイステの世界でやり直し〜㊳
第三十八章〜双子から逃げよ〜
…やっぱり、知っていたけど厄介。
「つーか、隙な過ぎだろ!?」
「まぁ、あの2人お互いをカバーしているし。」
「どういうことだ?」
「さっきフロイドさんに一瞬だけ隙があったんだけど…。」
「マジかよ!?」
「…気が付かなかったな。」
「まぁ普通は気が付かないと思う。俺、戦えない分周りに目が行きやすいし。…だから、一瞬の隙を突いてグリムに攻撃する様に言ったんだけど…。」
「防がれたんだゾ!!」
「…マジかよ。」
「ジェイドさんは、フロイドさんのムラがあるところを見事にカバーしている。逆にフロイドさんはジェイドさんが足りないパワーを見事にカバーしているから隙がない。」
「いや〜、無理じゃない?勝つの?」
「…なので、隙をついて逃げます。」
「それしかないか!!」
ジェイドさん達は、無敵に笑いながら
言った。
「出来ませんよ?」
「出来るわけないじゃん〜!!」
ジェイドさん達の目を引くものー。
うん、やってみる価値はあるか。
「リドル、あのさー。」
リドルに耳打ちした。
「そんなモノを?出来なくはない。」
「それじゃあ、お願い。」
「任せたまえ。」
リドルにお願いしたのは、ガソリンの容器を空に浮かべて欲しいと言った。
…この世界にガソリンとかあるか不明だったけど、料理する際に火とか使うし、なにも
魔法オンリーって訳じゃないって思った
から。
やっぱり、想像通りあった。
「なに〜?」
「あれは…。」
「ケイトくん、アレに穴空けて下さい。」
「な〜んか、悪いこと考えてない?」
「気のせいですよ。」
「まぁ、この場を切り抜けられるなら
いいか!」
ケイトくんはそう言って、穴を開けて
くれた。
「デュース、アレを2人に投げて。」
「えっ!」
「はやく。」
「わ、わかった!!」
デュースは、指示通り2人に向けてガソリンの容器を投げた。穴が空いているので、勿論
ジェイドさん達にかかるわけで。
「うぇ〜!さいあく〜!!」
「いえ…これは!!上着をすぐに脱いで
下さい!!」
「はっ?」
気付かれたか、でも問題ない。
逃げる時間は稼げる。
「グリムは、2人に向かって火を吐いて。
エースは、グリムの火を強化する為にグリムの後に風で強化。」
「了解なんだゾ!!」
「…ユウの目的分かったけど、
ほんっとえげつないな!!」
そう言いながら、グリム達はジェイドさん達に向かって攻撃した。
「くっ!!」
「なに〜?」
ジェイドさんは、フロイドさんを庇い火がかからないようにした。一瞬の隙、十分だ。
「行こう。」
「りょ〜かい!」
「…まったく、えげつないことを考えるな。」
全員でその場を駆け抜けた。
「ふぅー!!全員、無事!?」
ケイトくんが全員の無事を確かめていた。
「…み、水。」
「…ユウちゃんは、ダメそう。」
水を貰い回復したところで、デュースが聞いてきた。
「ところで、ユウはさっきなにをしたんだ?」
「分からなかったんだゾ!!」
「まぁ、この2人は純粋そうだしね〜。」
「知らなくてもいいと思うけど…。」
そんな周りの対応に不公平だなど愚痴を溢して来たので話すことにした。
「さっき撒いた液体、ただの液体じゃないんだよね。」
「えっ。」
「ならなんなんだゾ。」
「ガソリン。」
「…マジか。」
「ガソリン?」
「デュースはさすがに知っているか。マジカルホイールとか乗っているし。グリムに分かりやすく説明すると、めちゃくちゃ燃えやすい液体ってところかな。」
「それを双子に撒いたってことはだゾ…。」
「まぁ、燃やす作戦?」
「物騒なんだゾ!!」
「殺すつもりか!?」
「そんなつもりはないよ。」
ハッキリと言い切った。
「ガソリン撒いたってことはそう思われてもしょうがないと思うけどな〜。」
「そうですね、ただジェイドさん達を殺すつもりはなかったですよ。撒いたら、ジェイドさんなら危険性に気が付いて、フロイドさんを守るって信じていましたし。」
ん?なんだ?みんな変な顔して。
「…ユウちゃんって、なんだかんだ言ってモストロ・ラウンジのみんなのこと好きだよね〜?」
「はっ?なに言っているんです?」
「そういうことにしとくか。」
なんでエースもやれやれ顔なの。
「それじゃあ、そろそろ日も暮れそうだし
次は本日最後のけーくんチェック。
サバナクロー寮のジャック・ハウルくん。
1年生。」
「一応サバナクロー生も調べておいた方がいいですもんね。」
「そういうこと、今のところ全部憶測だしね。サバナクローが怪しいとか思っているの。調べて見ないと分からないよね。」
確かにな。
「それで彼はどういった方なんですか?」
まぁ、知っているけど一応。
「運動神経抜群であらゆる運動部からスカウトが殺到しているって話。」
「この時間ならいるかも知れないな。」
今、何時だろう?やば、モストロ・ラウンジのバイトに間に合わないな。連絡するか。
『急遽ですが、今日は用事があって行くことが出来ません。すいません。 ユウ』
そんな感じで、モストロ・ラウンジのグループラインに連絡したら恐ろしい速さでジェイドさんから返信が返って来た。
『了解しました。…この借りはいずれ。』
…怖いんだが。
そんなことを考えていたら、リドルは帰ると言って来た。なんでもハートの女王の法律『午後5時以降は庭でクロッケーをしてはならない』を破る寮生がいるかも知れないからとのことだった。…相変わらず真面目だな、まぁ前より緩くなったけど。リドルと別れたので、サバナクロー寮に向かうことにした。
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