人生2周目〜ツイステの世界でやり直し〜㊲

第三十七章〜証拠を掴め〜

「なぁ、ユウさっきの話どういうー。」
すると凄い勢いで、ドアが叩かれている。
「…なんか今日、お客さん多いね。」
開けると、焦ったエースとデュースの顔。
「2人ともどうしたの?そんな顔ー。」
「クローバー先輩が階段から落ちて怪我を
したって!」
「!!…エース、デュース。
トレイさんの場所に連れて行ってくれる?」

「おう、眼鏡!
シケたツラ拝みにきてやったんだゾ!」
「ああ、お前ら来てくれたのか。」
「全く、大袈裟な…。」
「一番心配していたのは、リドルくんだったと思うけどな〜。」
「そ、そんなことは!!」
…相変わらず仲がいいな。
とりあえず挨拶しておくか。
「こら、グリム。失礼でしょ。
トレイさん、元気ですか?」
「ああ、なんとかな。」
「エーデュースコンビに、グリちゃんに
ユウちゃん!みんな来てくれたんだ!!」
…よかった、意外と元気そうだ。
「どうもっす…って。ケイト先輩、
その『エーデュース』ってなに?」
「え?2人とも『ス』が名前の最後についてるからまとめてみただけ。」
「なんかお笑いコンビみたいだね。」
「だれがコイツと!!」
「冗談じゃない!!」
「なんかすぐ「解散だ!」って言って
復活するコンビになりそう。」
「…コイツになに言っても、
ムダだったわ。」
「…そうだな。」
諦めた顔をした2人を疑問に思いながら見ていたが、状態が知りたかったのでケイトくんに聞いた。
「状況を聞いても?」
ケイトくんは頷くと話し始めた。
「リドルくん達と話しながら、歩いていたんだけどさ〜、階段から足を踏み外しちゃったんだよね〜。しばらくは松葉杖生活かな〜。」
…同じだ。ハーツラビュル生と。
足を踏み外すなんてことは不慮の事故で起こりがちだ。でもこう立て続けに足を踏み外すなんてことはあり得るのか?トレイさんは、警戒心は強い方だ。それなのにー。
「今年のマジフト大会は見学だな。」
「眼鏡…、かすり傷だったら渡すのやめようと思っていたけど…コレ、見舞いのツナ缶。元気出すんだゾ。」
「ははっ、ありがとうな。」
…そろそろ切り出すか。
「事件についてもっと詳しく教えてくれませんか?」
「なーんか、事情がありそうだね。」
「実はー。」

「マジフト大会の選抜メンバーばっかり怪我をしている、か。」
「なら、あのときのことも偶然じゃなかったのか?」
「あのとき?」
リドルは頷き、当時あった不思議な出来事を話始めた。
「…実は階段から滑り落ちたのはトレイではない。」
「えっ?」
「ボクなんだ、足を滑らせて落ちそうな所をトレイがー。」
悔しいそうにリドルが言う。
「だから、言っただろう?そんなに気にするなって。」
「だが…。」
「それじゃあ、今度イチゴタルト作ってくれるってことで。」
「…そんなんでいいのか?」
「ああ。」
「…いくらでも付き合う。」

最初の狙いはリドルだった?
「リドル、聞きたいことがあるんだけど。」
「ボクに答えられることなら。」
「足を滑らせたとき、なんか身体が勝手に動いた感覚とかなかった?」
「!よく分かったな。その通りだ。身体が勝手に動くなんとも言えない不思議な感覚で…。」
やっぱり…。
「実はさ、被害にあった人達と全く同じことを言っているんだ。」
「それは…。」
「ちょ〜っとどころか、かなり怪しいね。」
「つまり、犯人は同一人物の可能性がある訳か。」
「ええ、そして俺達はその人物を知っている。」
「えっ?」
「勝手に動いてしまったって話、なんか思い出すことありませんか?」
「…そうか、ラギーちゃんか。」
ケイトさんは、気付いてくれた。
「…よく分からないんだゾ。」
「あのとき、ピーちゃん身体が勝手に動いていたって感じだったしなんか似てない?」
「…確かにな。」
リドルは、頷いていた。
「あの後、彼の話を聞いたが自分の意識とは関係なしにと言った感じだったな。…ボクも同じだ。」
「…ユウちゃんは、疑っているわけだ。
ラギーちゃんを。」
「まだ確定じゃないし、でも…。」
「でも?」
「怪我をした人の中にサバナクロー生がいない気がして…。」
「確かに疑うには十分か…。」
「ボクらはどうしたらいい?」
「そうですね…。」
このままラギーさんの場所に行った所で惚けられる可能性がある。
「ラギーさんがやっている、その証拠を集めるのを手伝って貰えれば。」
「オッケー!!」
「任せたまえ。」
「俺はー。」
「トレイくんは休んでいて。」
「休んでいろ。」
息ピッタリだな、2人とも。
「そのためには次に狙われそうな生徒に当りをつけてボクらでこっそり警護するのがいいか。」
「次に狙われそうな相手って分かっているんですか?」
「実は選手候補の中でも「コイツは狙われそう!」って生徒何人かにはもう目をつけてあるんだ〜。」 
…はやいな、まぁハーツラビュル生が何人かやられているワケだしケイトくんも普通じゃないって考えて調べていた可能性あるけど。
「マジカメのメッセで情報共有するからグループ作るね。グループ専用のアルバム、見ておいて。」
良かった、最近スマホ買って貰って。
元々なかったし、なくても困らなかったんだけどアズールさんが「連絡出来ないと困る」とかで買って貰ったんだ。ただで貰う訳にはいかないとか言ったら「えっ?そんなわけないじゃないですか。払った分だけ働いて貰います。」とか言うから返そうとしたら、「もう受け取りましたよね?因みにコレが金額です。」とか言って値段を見せて来た。あの人は敢えて高いスマホ買いやがった。モストロ・ラウンジに影響就職は決まったもんじゃん。コレ。…それを話したら、エース達にめちゃくちゃ同情された上にめちゃくちゃ奢られた。そんな苦々しい思い出のスマホを取り出しながら、グループ専用のアルバムを開く。凄いな…コレは。簡単に集められるもんじゃない。ケイトくん、普通そうだけど実はめちゃくちゃ怒っている?
「ダイヤモンド先輩、これ、スゴイ情報量っすね。」
「まーね♪んじゃ、早速ターゲット候補を見に行ってみよっか。」
「いざ出発!なんだゾ!」

「まずはココ。ポムフィオーレ寮。
けーくんチェックでは、3年生の
ルーク・ハントくんには注目だね。」
…なに、そのチェック。
「金色のボブヘアー&帽子が
トレードマーク。」
ピーちゃん曰く「やばいヤツ。」
なんでやばいのか聞いたら、写真を撮っているとき目が合い寒気がしたかららしい。
…野生の勘って奴かな?
「ルーク先輩は去年も試合で活躍していた優勝な選手だよ。でも、あの人はちょっと変わっているというか…。」
「この学園に変わってない人なんかいるの?」
「ユウちゃん含めてね!」
「え?俺普通ー。」
「ねーわ。」
「ないな。」
「ないんだゾ。」
「…。あそこに座っている人ですか?」
ピーちゃんに見せて貰った写真と一致
するし。
「ノンノン、エペルくん。紅茶を飲む時、カップの取っ手に指を入れるのはエレガントではないよ。」
リアルでいるんだ、ノンノンとか言う人。
「つーか、キラキラし過ぎて眩しーんだけど!?」
「えっ…あ、はい、すいません。」
「はぁ。大会当日のメイク悩むわぁ。
フェリツテ・コスメティックスの新作下地が気になっているのよね。」
まぁ、エースの気持ちも分かる。
…キラキラし過ぎだろ、あそこ。
「なんだか強そうな気はー。」
「そんなことはないんじゃない?」
「なんか知っている風だな?」
「うん、あそこのヴィルさんと話したし。」
「マジ!?」
騒ぎ過ぎたのか流石に気付かれた。
「おや?」
「あら?」
「えっと…。」
せっかくだし、挨拶するか。
「こんにちは、ヴィルさん。
2人とは、初めましてですね。」
…知っているけど。エペル・フェミリア。
エペルに関してはたまに楽しそうに歩いているの見るし。まぁだから驚いたんだよな、全然キャラ違うって。あんな清楚って感じじゃないし。
「やぁ、こんにちは!トリックスター!」
なに?その渾名?いや、番長とかは呼ばれた事あるけどそんな呼ばれ方は初めてだ。
「ルーク、いきなり呼ばれてユウが混乱しているわ。…ここに来たってことは事件関連かしら?」
「話が早くて助かります。今回は、ルークさんが狙われる可能性ないかなって。」
「それはないわ。」
「大した自信ですね。」
「ルークをターゲットにしてみなさい。
逆に追われるわよ。」
「はは、毒の君、麗しのヴィル!褒めすぎさ!」
「事実を言ったまでよ。」
それほどの実力者ってことか。なら、変に手は出せないか。
「…ありがとうございます。」
「そ、調査頑張りなさい。」

「いや〜!凄いね!ユウちゃん!」
「なにがです?」
「あのヴィル・シェーンハイトに認められるなんて!」
「そうなんですか?」
「そうだよ〜、彼は自分にも他人にも厳しいからね。」
「まぁ、ヴィルさんのことは置いといて
次はー。」
「次はオクタヴィネル寮。けーくんチェック的には2年のジェイドー。」
「次に行きましょう。」
「はやくない!?」
「あー、ユウはモストロ・ラウンジ関連で嫌な思いしているから…。」
「いや〜、でもさもうちょっと…。」
「あの双子が簡単にやられるハズがないでしょう?挑んできた相手を笑顔でボコボコにするヤツらですよ。」
「分かるな…、特にフロイドに近づきたくない。」
なんかリドルもあるのかな…、でもリドルもこう言っているしー。
「最後にしましょう。」
「しよう。」
「どんだけイヤなんだよ…。」
気付かれる前にと思っていたがー。
「あ〜〜〜。金魚ちゃんに、アザラシちゃんに、小エビちゃんだ〜〜〜!」
…最悪だ。
「みんなでなにしてんの?かくれんぼ?
楽しそうだね。」
リドルは、嫌そうな顔でフロイドさんに
言った。
「フ、フロイド。ボクのことを変なあだ名で呼ぶのはやめろと何度言わせるんだい?」
…分かる、そして聞かない。
「だって小さくて赤いのって、金魚でしょ?」
「うぐぐ〜。」
あ、赤くなった。確かに金魚か…?
「ハーツラビュルのみなさんお揃いと言うことはー。」
いやーな予感。
「逃げましょう。」
「えっ。」
「なんか敵情視察とか言って攻撃して
来てもー。」
「流石ユウさん。…何故僕たちを観察していたのか、理由をお聞かせ願えますか?」
「コイツ、物腰は穏やかだけど全然目が笑ってない…。」
「…オクタラビュル生の厄介ランキング
一位ジェイドさん、二位フロイドさん、三位アズールさんだから。」
「今、言う!?ここで!?」

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