人生2周目〜ツイステの世界でやり直し〜㉜
第三十二章〜盗難事件〜
向かっている場所は、モストロ・ラウンジ。
なぜ向かっているかと言うとー。
「えっ?レジのお金が盗まれて犯人に疑われている?」
「そうなんだよ!オレはレオン・ヴェアリィ。モストロ・ラウンジっていうカフェで働いているんだけど…。」
「モンスター・ラウンジ?」
「違う!いやある意味寮長とか上の連中が化け物じみているって意味では…。」
「化け物が働いているんですか?」
「違うわ!…なんとなく分かって来たけど
アンタその性格のせいでウワサが変な方に広まった感じだな…。」
「ありがとうございます。」
「褒めてねぇ!…話を戻すと、店の精算額が合わないことが判明して、レジ担当の俺が疑われた感じ。このままじゃ、副寮長に半殺しルートだわ…。」
…物騒だな。
「でも、まだ半殺しにされてないってことは決定的な証拠もない。けれども、1番怪しのがあなただから疑われている。」
「…そうなんだよ〜、前にもあって…。」
「その時は、どうなりました?」
「…フロイド先輩に半殺しルート。」
うわぁ。確かフロイドってー。
「ああ、フロイド先輩って言っても分からないか。フロイド・リーチ先輩。2年生で、
…とにかくめっちゃ怖い。」
「半殺しですもんね。」
「そうなんだよ!地雷スイッチがどこにあるか分からないし!!」
気分屋って感じか。ピーちゃんも
「絶対近づきたくないタイプ」って言っていたしな。
「…でも、まだ事件は続いているわけですね?」
「…1件目も、真犯人分からないで終わってまた今回の件だ。みんなピリピリしている。」
つまり、今後も同じことが起こる可能性がある訳か。1件目の件もしかしてー。
「…半殺しにしたのは、場を収めるためかも知れませんね。」
「えっ?」
「犯人がハッキリして無いってことは、
従業員全員容疑者だ。」
「それは…。」
「そして、お互いに犯人だと考えて疑心暗鬼になるでしょう。…そんな状態で
モストロ・ラウンジで働いていても従業員同士の雰囲気は最悪。「モストロ・ラウンジの従業員同士の仲が最悪であんまり楽しめなかった。」とか噂されたら店の評判にも繋がる。その事態を避けるために1件目は、無罪の方に犠牲になって貰った。今回も、ピリピリしているとのことなので、店の評判が下がる前に半殺しルートになるでしょうね。」
「マジかよ!!イヤだ!!死にたく…。」
「その為の俺です。例の話ウソじゃないですよね?」
「事件を解決したら、一万マドル渡すだろ?忘れてない!頼む!」
よし、今月の食事代の為だ。頑張るぞ。
「いいですよ、早速現場を見たいのですが、俺は千マドルしかない。…店に入れますかね?」
「…これでなんとかしな。」
そう言って渡されたのは、五千マドル。
…いや、ずっと思っていたけど。
この人、相当金持ちだな?
そんな訳で、モストロ・ラウンジに着き
メニューを見ているのだが。
…高い。当たり前、というか見た目からして高級だもんな。ココ。
「でよ!!」
はやく選ばないとー。
「俺が言ったワケ!」
なににしよう?
「そりゃあねーって!!」
…声大き過ぎて、集中してメニューを選べないな。
「…隣がうるせーだゾ。」
「…大丈夫でしょうか?」
そう言って声を掛けてきたのはギザ歯が特徴的な従業員だった。…写真で見たな。
彼はジェイド・リーチだったか。
「えっと…。」
「なにかお困りの様でしたので。」
「…メニューを選ぼうとしたら、隣の人の声に持って行かれるとか言えらないしな。」
聞こえない様に呟いたようだったが、ジェイドさんには聞こえていた様だ。
「すいません、最近ずっと入り浸ってあんな感じなので僕も少し困っています。」
ずっとか…、迷惑なー。いや、待て。
「…すいません、聞きたいことがー。
えっと名前はー。」
「ああ、すいません。
僕はジェイド・リーチ。それで、
聞きたいことは?…ユウさん。」
…成る程、最初から知っていて近付いてきたワケか。
「…俺の事知っているんですね。」
「…貴方は有名人ですよ。…自分が思っているより。オーバーブロットの件を解決したことやリドルさんと仲良くなったと考えると警戒するには充分でしょう?」
だからこんな探る目なのか。けどー。
「…今必要なことがあって、ここに情報を集める為に来ています。聞きたいことがあるので、聞いても?」
「…確かにアズールが警戒しますね。コレは。」
「ではー。」
「ええ。話せる範囲ですが。」
「隣の入り浸たっている方達はいつからか?」
「ここ3週間の間だと思います。」
確かあのオクタヴィネルの生徒から聞いた話だと1回目が3週間前の月曜日。次は2週間前の金曜日、そして今回も金曜日。1週間ごとに事件がいつも起こっているのか。曜日は月曜か金曜って感じで固定されているのは気になるけど。
「…あの人は、いつも同じ席ですか?」
そう言って隣の人を一瞥した。
「いつも同じ席ですね。後、レジを月曜と金曜担当しているのは彼ですか?」
そう言ってレオンさんを指差した。
「そうですね..あまり情報は言えないのですが…必要な事とおっしゃっていましたね。それは?」
…最初は、探られていた気がしたけどなんだろう?純粋な興味で今は聞かれている気がする。
「…ここ最近の盗難騒ぎ、それを解決するために動いてます。」
そう言った途端に、隣の人達は、反応した気がした。
…よし、ここは。
「すいません、ちょっと話したい事があるので着いてきて貰えませんか?」
「ここでは、話せないのですか?」
「はい。」
「分かりました、では移動しましょう。」
案内してもらったのは、お手洗い。
「すいません、暫く外で待っていて貰えますか?」
「分かりました。」
ジェイドさんを、外で待たせてお手洗いの中でターゲットが来たのを確認した。
「…アンタ1人か?」
「まぁ、そうです。」
「…探られると、厄介だから消えて貰うわ!」
やっぱり来たー、うん。待機して貰っていてよかった。
「お願いします。」
「マジかよぉぉ!!」
そう言って、姿が急に現れたレオンさんにビックリしていた様だった。
「なっ!?」
「コレェ…マジで振りかけんの…?」
ビビりながら、レオンさんは薬草を振りかけた。
「目が!!目がぁぁぁ!!」
「…ごめん、マジで。」
ジェイドさんが騒ぎに気が付きお手洗いに入ってきた。
「…これは、これは。」
なんか面白がっているな、この人。
「…なるほど、貴方がお手洗いに入って行ったのは彼を誘き寄せる為だと。」
「…まぁ、そうです。
盗難事件を解決する為に動いているって言ったら、隣のサバナクロー生達は反応していたので。」
「なんでサバナクロー生って、分かったんだ?」
「服の色です、サバナクローの色でしたから。」
「誘き寄せる為に待機するのは分かるけどさぁ!俺介入する必要ー。」
「ありますよ。」
「へっ。」
「俺は力がないので、襲われたら一瞬でやられる。ジェイドさんを配置しても良かったんですがジェイドさんは有名人だし警戒されて来ない可能性がある。だからこそのあなたです。」
レオンさんはユニーク魔法を持っていた。
『体色変化』身体を背景に溶け込ませる事が出来る力。だから、ジェイドさんにお願いして紙をレオンさんに渡すようにして貰った。
レオンさんにお願いしたのは、「ユニーク魔法を使って姿を隠して欲しい。」
レオンさんがユニーク魔法で、見えなくなる前に薬草を渡し「ある人がくるけど、俺に攻撃仕掛けたら薬草を目に向かって振りかけて欲しい。」レオンさんは、驚いていたが事件解決に必要だと言ったら渋々協力してくれた。
「…だからって、目に薬草はさぁ。」
「いいんじゃないですか?死んでないし。」
「…そんな訳ないじゃん…、
こいつ怖い…。」
「…悪人側なんだゾ。」
失礼だな、みんなやるよね?…やるよな?
ジェイドさんは、俺に聞いてきた。
「サバナクロー生が襲って来た理由、僕に話したいと言ってここに呼んだ理由。
…話して頂けますか?」
「いいですけど、サバナクロー生が
話をー。」
聞く可能性があると言い終わる前に、サバナクロー生に蹴りを入れて気絶させていた。
「暫く目を覚さないでしょう。」
…凄くいい笑顔で話すな、この人。
レオンさんは、ビクビクしながら言った。
「お、俺もう居なくてもー。」
「いえ、必要でしょう。
貴方は当事者なのですから。…それにユウさんと契約した内容も気になりますし。」
バレているのか、彼と約束したのが。
「ヒィ!!」
…そんなにビビる?
「まぁレオンさんのことは、一旦置いといて話しますね。」
「よろしくお願いします。」
「まず最初に、騒いでいたサバナクロー生はレジからマドルを盗んだ者と共犯者の可能性がある。…まぁ、俺を襲ってきたし確定した様な物ですが。」
「確かに。ユウさんの言葉に反応している感じでしたしね。…でもそれだけじゃないでしょう?彼らを疑っているのは。」
やりにくいなぁ、こういうタイプ初めてー。
でもないな、ケイトくんとかいるし。
でも苦手って感じるのは、興味深く観察されているからか。
「あそこの席、色々観察出来るんですよ。
レジとかね。…それに騒いでいるのがサバナクローっていうのもー。」
「貴方の中でサバナクロー生である事は、重要だと感じているんですね。」
まぁ、ね。ラギーさんが冗談言っただけかも知れないけど、なんか気になる。
「…そんな感じです。レジの担当をさっき聞いたのはー。」
「レジの担当者がレオンさん、だったから
狙った可能性ですね。」
「そうです、例えばジェイドさんが担当の日にレジからマドルを抜き取るは難しいけど、レオンさんなら抜くのは簡単です。」
「マジかよ…、でもなんで犯人は一週間ごとに犯行を起こしていたんだ?」
「盗難が起きれば当然警戒心が高まる。
けど、その後なにも起こらなかかったら?
1週間に一回だけ起きて、その後何にも起きなかったのも警戒心を緩める為。もちろん、計画もなくレジを襲っていた訳ではない。レオンさん担当の日を襲うと決めて行動していたんです。」
「だから、僕に聞いたんですね。」
「ええ、基本月曜日と金曜日しか襲ってないですしね。レオンさんが担当していたからとも考えられます。」
「最悪なんだが!?」
レオンさんが叫んでいたが、無視した。
「騒いでいるサバナクロー生が3週間前から入り浸っていたのは、調査の為でしょうね。レジの位置、レジの開け方、監視カメラの数、監視カメラに映らない場所とか調べる情報は多いでしょうし。」
「…では、グラスをわった理由は?」
「音がした方が注目されますし。」
「俺、音がなった際に音がなった方みていた気がする…。」
「そして、音がしている方向を見ている間に、共犯者がレジからマドルを抜き取った。」
「それは難しいんじゃないか?」
「どうしてです?」
「だってさ、短時間で抜き取るなんてー。」
「恐らく出来るでしょう。彼はサバナクロー生、同じくサバナクロー生であるラギーさんから盗みの技術を教わればいい。」
「確かに彼は、得意でしたね。」
「問題は、監視カメラに映らない場所なんかあるのかって部分です。」
「なるほど、だから僕に協力して欲しいワケですね。」
「ええー、協力して貰えます?」
「盗難騒ぎは、僕たちも困っている。
もちろん協力しますよ。よろしくお願いします、ユウさん。」
…やっぱり苦手だ。
「よろしくお願いします。」
そう言って、ジェイドさんと握手をした。
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