人生2周目〜ツイステの世界でやり直し〜㊵

第四十章〜敗北〜

「どう思うー?」
「ジャックが言っていたことを考えると、
サバナクローは黒の可能性は高いでしょうね。」
「だよね〜。」
そんな会話をしていたら、サバナクロー生が絡んで来た。
「おい、お前ら…なっ!お前は!!」
「どうも、お久しぶりです。」
「知り合い?」
「モストロ・ラウンジの盗難騒ぎの際に知り合ったんだ。」
「ちげーよ!!アンタが事件に協力したから!こっちは大変だったんだぞ!!」
「そうなんですね。ご苦労様です。」
頭に血が昇ってサバナクロー生達は、喧嘩をふっかけそうになったが、王の声が響き戦闘を止める。
「やめとけお前ら。」
「レ、レオナ先輩!!」
「ラギー先輩も!!」
「久しぶりです、ラギーさん、
レオナさん。」
「おう。…テメーらじゃ相手にならねーだろうよ。」
「そうそう。…リーチ兄弟を追い払ったらしいッスから。」
「あの二人を!?」
「けど見逃すなんて…。」
「なにだれも見逃すなんて言ってないだろ
うが。」
「えっ。」
「ここは、マジフトで穏便に可愛がって
やろうぜ。」
「マジフトで?」
「試合中ならどれだけ魔法を使っても校則 違反にならねぇしな。」
…最高に意地が悪い。
こっちマジフト初心者2人もいるし。
「シシシッ!レオナさんも意地悪ッスねぇ。初心者がいるのにふっかけるとか。」
「…テメーには、コイツらのメンツ潰さた
ワケだしな。発散する場所が必要だろう。」
「…とか言いながら、レオナさんもやられたことに対してイラついているッスよね?」
「まぁな、こっちの陣地に入ってきたのは
テメーらだ。運が悪かったって思って
諦めるんだな。」
…今日は最悪の日かも。
それだけ言うと、レオナさんはディスクを
投げつけてきた。
「それじゃあ、始めようぜ?」
…逃げられないな、これは。
「そこまで言われて、引き下がれないん
だゾ!」
グリムとエースは、乗り気だし。
やっぱりこの二人似ているな、挑発に乗りやすいところが。
「マジか〜、ユウちゃんは安全なところで見てて。相手チームの動きをよく見てオレらに教えてね。」
まぁ、それしか出来ないと言うか魔力がない俺はそれしかないよな。

アレ?2人?
「あれ2人ッすか?」
「まあな、テメーら捻るのに2人で充分だ。」
「ムッ。」
「言うな〜。」
周りのサバナクロー生が騒ぎ始める。
「やっちまって下さい!レオナさん!」
「そんなヤツら2人なら、余裕!!」
「…外野がうるせーんだゾ。」
まぁ、分かるけどこっちは初心者だし、厳しいと思う。
「ディスクはそっちからでいいぜ?」
うわー、余裕。
グリム達、耐えられるかな。
「ムッカー!!ギッタンギッタンにしてやるんだゾ!!」
「ハラたつな!!」
「力を見せてやる!!」
…うーん、やっぱり無理か。
こうなるとケイトくんでもコントロール難しいかも。安全な場所ってことで観戦場所に移動したけど、一緒に競技場に行けば
良かった。
ここだと、指示が上手く飛ばせない。
グリムは、腹が立っているのかディスクが安定して飛ばせなかった。
「あー、これは楽に勝てそうッスね!!」
そう言って魔法で、グリムの傾いていたディスクを取り上げてゴールに投げた。
…上手い、これ指示とかそういう問題じゃない。プロとアマチュアの差。
最初から実力の差が分かっていて 
挑んできた。
エース達が、挑発に乗ると分かった上で。
挑発に乗った時点でもう負けは決まったもんだ。ならー。
「…もう充分でしょう。」
「ユウちゃん…。」
まぁ、黙って見ていても良かったけどこのままフルボッココースは正直言って気分がいいもんじゃないし。
「負けを認めるってことか?」
「そういうことです。」
「…もっと粘るって思っていたんッスけど。」
「挑発に乗った時点で負け。…なら、試合を続ける意味ないでしょう?」
「なら、土下座でもー。」
「いいですよ。」
「なっ!!」
「変にプライド張っていても意味、ないですから。俺は今の状況を打破できるなら土下座だろうがなんでもしますよ?」
「プライドとかー。」
「ないです。」
前は土下座とかそういうの面倒ごと避けたくてやっていたけど今は少し違う。エース達を助けたい。ただそれだけ。自分本位から他人に目を向けられる様になったそれだけだ。
「…なら、してもらうッスよ。」
言われた通りにしようと思っていたがー。
「…見ているだけのつもりだったけど。
やっぱり無理っす。なにしてんスか、アンタら。」
見上げると、ジャックが俺の前に庇う様に立っていた。
「ん?縄張りに踏み込んだ奴らとちょっと遊んでやっているだけだろ。」
「初心者いたぶってなにが楽しいんすか。」
「…正義のヒーローのつもりッスか?
ジャックくん。」
「そんなつもりはないです。ただ…。」
「ただ?」
「みっともなくて見てらんねぇって言ってるだけっす。」
「…。はっ、しらけることを言うぜ。」
「おいジャック!てめー1年のくせに生意気
だぞ!」
「…あんたらこそ、上級生のやることじゃないんじゃないんじゃないすか。」
「あっ?」
「レジからマドル盗むとか、みっとも
ないって言っているんすよ。」
「テメー!!」
「は。1年坊。威勢がよくて結構なことだ。
まぁいい、もう飽きたしな。
ラギー、行くぞ。」
「…ウィーッス。」
気のせいか?ラギーさん、こっちを見る目がいつもより険しい気がする。
ラギーさん達は、俺達の前から消えた。

すると、サバナクロー生が一言だけ
言ってきた。
「てめーら、今度来たらタダじゃ
おかねぇ。」
サバナクロー生がいなくなったので、
改めてジャックにお礼を言った。
「ありがとう、助かった。」
「別に。お前らを助けたわけじゃねぇ。
納得出来なかっただけだしな。」
エース達は大分疲れていた様だった。
当たり前か、プロにボコボコにされた
もんだし。
「エース達大丈夫?」
「平気。…それより。」
「なに?」
「すぐ土下座しようとすんな!」
「だよね〜。」
「同感だ。」
「なんだゾ!」
「アレが1番ー。」
「いい方法だとしてもね〜。それを回避する方法をみんなで考えるし〜。」
「そういうことだ。」
「もう少し考えて行動しろよ!」
「…ごめん。」
みんな分かればよしっと言う顔をしていた。
…俺はあのとき、アレが最善だって考えたけど周りを頼るとか考えてなかった。まだまだだな、俺は。
「…。」
ジャックがこっちを見ている気がしたので、聞いてみた。
「どうしたの?」
「…いや、いいチームワークだなって。」
「だよね〜!んじゃ、ジャックくんオレらは帰るけど、気を付けてね〜!」
そう言って別れた。

エース達と別れてオンボロ寮に着いた際、俺はもうクタクタだった。ベッドで寝る前にソファーで横になってしまう。だが、グリムが許してくれなかった。
「ツナ缶!夜ご飯!!」
「はいはい、分かった分かった…。」
「今日は何なんだゾ!!」
「魚料理。」
「えっ〜、肉がいいんだゾ…。」
「贅沢言わない。」

「うう〜ん…ムニャムニャ…見たかぁ、オレ様のスーパーシュートを…。」
なんかグリムって寝言多いよな。
しかも、今回は動き付き。…蹴られてその痛さで起きたんだけど。
寝れないし、外の空気でも吸いに行くか。

「さっむ…。」
外の空気は意外と寒かった。
空気を浴びながら、今まであったことを思い浮かべる。こっちに来てまだ間もないけど…、色々ありすぎ。今回も起きているし。
あ、そう言えば前回も魔法を使い過ぎてオーバーブロットしたって話あったけど、今回はそういうの大丈夫かな。マジフト大会の候補者が犠牲になっている背景には魔法が絡んでいるワケでこう立て続けに犠牲者が出てるのを見ると休んでる暇ないんじゃないかな。
もしそうならブロットの汚れが落ちないことにー。
「…ん?そこにいるのは誰だ?」
見ると角が生えている男がいた。
リリアさんと同族?
なんかあの人も角ぽいのついていたし。
「どうも、ユウです。」
「これは驚いた。お前、人の子か。」
人の子?どこからどう見てもー、まぁ、この世界色々な種族いるしこんな反応にもなるのか。
「どうも、人の子です。」
「まさかそう返ってくるとは予想外だったな…。ところでお前、ここに住んでいるのか?この館はもう長いこと廃棄だったはず。
独りで静かに過ごせる僕だけの場所として 
気に入っていたのだがな。」
「そうだったんですね、すみま…。」
「先程ユウとか言っていたな、僕は…。
いや。聞かないな方がお前のためだ。」
話聞かないな、この人。
「知ってしまえば、肌に霜が降りる心地がするだろう。世間知らずに免じて好きな名前で呼ぶことを許す。」
なに?この人…。ポエム好き?
「いずれそれが後悔に変わるかも知れないが…。」
もう後悔しているよ、変な人にあったって。
「ふぅ…それにしても…人が住み着いてしまったということはもうこの廃墟は廃墟ではない。残念だ。」
なに言ってんだ、この人…。
「また次の夜の散歩用の廃墟を探さなくては。では、僕はこれで。」
散歩用の廃墟ってなに?
そう言って、魔法なのか分からないが目の前から角が生えた男性は消えた。
…好きに呼んでいいって言っていたし
廃墟太郎って呼ぼう。廃墟好きな様だし。
「くっしゅ。…さむっ。」
戻って寝るか。

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