人生2周目〜ツイステの世界でやり直し〜㊴

第三十九章〜サバナへようこそ!〜

サバナクロー寮は、ずいぶん野生的だった。
ポムフィオーレはなんか城だし、ゴージャスな感じだったし雰囲気が全然違う。
世界観は、やっぱりライオン・キングか?
ここに来てなんとなく気がついてきたけど、
この世界はヴィランズをモチーフにした世界な気がする。グレート・セブンの存在と言い…。
リドルのユニーク魔法もなんかハートの国の女王関連だろうし。まぁ、分からないこと多いけど。タイムセールとか言う概念あったりするし。映画の中ではなかったしそんなの。
…あったら変だけど。
「それにしても….。」
デュースは、サバナクロー寮を見渡していた。
「ウチの寮とは全然雰囲気が違うな。」
「それなー。なんか、超野生味を感じるって言うか?空間そのものがワイルドだよね〜。」
…確かにレオンさんのユニーク魔法はめちゃくちゃここにあっているけど。身体を背景に溶け込ませる事が出来る力だし、向いているよなぁ。まぁ、性格的には向いてないけど。
穏やかな方だし。
「でジャックだっけ?どんなヤツなんスッか?」
…まぁ、ピーちゃんの写真ブレブレで顔見えなかったし。
全員で、突っ込んだっけ。
「ブレブレじゃねーか!!」
「しょうがねーだろ!!撮ろうとするたびにめちゃくちゃ走るし!ブレるんだよ!!」
結果分かったのが、名前と銀髪であると言うこと。
「褐色肌に銀髪。狼ぽい耳とフサフサの尻尾がトレードマークらしい。」
…アレ、耳と尻尾だったのか。ブレた結果、残像として残ったって思っていた。
エースも同じことを思っていたらしく、小さく呟いた。
「…アレ、尻尾と耳かよ…。」
「えっ?」
デュースは、話を逸らす様にケイトくんに話しかけた。
「あ、あれじゃないですかね?
フサフサの尻尾だし!」
「ビンゴ!デュースちゃんお手柄。特徴ピッタリ。彼に間違いない。」
「つーか、体デカッ!!さっきの双子のときも思っていたけど!!」
あれは割と平均なのか?って思っていたけど、エースの驚き方からするとそうでもないみたい。
「あれは運動部がスカウトしたがるわけだね。」
「あのたくましさは格闘技に向いてそうだな。」
確かに。あんなのにボコボコにされたらひとたまりもない。挑むとかしないけど。
そんなことを考えていたら、グリムがやらかした。
「オイ、そこのツンツン頭!」
…死亡フラグが一気に立った。
「あっ?」
「オマエが悪い奴らに狙われてるかもしれねぇから、オレ様たちが守ってやるんだゾ!どうだ、嬉しいだろ!」
あの人、守られると言うより守るって感じだし自分より小さい存在に上から目線で「守ってやる」とか言われても嬉しくないと思う。
「なんだ?てめーは。走り込みの邪魔をするんじゃねぇよ。」
ですよねー。
「あ〜あ〜。」
「ちょっとグリちゃん、話し方に問題アリすぎでしょ!」
まぁ、やらかしたってみんな思うよな。
「やー、ゴメンゴメン。ちょっとオレたちの話聞いてもらっていーかなー?」
ケイトくんは、ふがふが言っているグリムの口を押さえてジャックに話しかけた。
「いきなりなんなんだ、てめーら。
この俺を守る、だと?」
あ、地雷踏んだ?
「…すいません。いきなり守るとか失礼ですよね。」
「…アンタ。」
「ジャちゃん。」
「ほんっとう、噂通り失礼なヤツだな!?テメー!?」
「照れます。」
「褒めてねーよ。」
ジャックが呆れた様に見てきた。
「…なんか、さっきまでイラついていたのが下らなくなってきたわ。」
「じゃあ…。」
「話ぐらいなら聞いてやる。」
「ふーん、最近マジフト大会の選手候補が狙われているねぇ…。」
「で、俺らはその犯人を探しているワケ。」
「それと俺になんの関係が?」
「単刀直入に言うと、次に狙われそうな選手候補をマークして犯人が現れるのを待とうって作戦デス。」
協力してくれないかケイトくんは、ジャックに聞いたが断わられた。
「断る。俺は1人でなんとかー。」
「分かりました。」
「ハヤ!?ユウちゃん、もっと粘ろうよ!?」
「この人意思強そうだし、言ったところで無理じゃないかな?」
「そういうことだ。」
ジャックは、背を向けてマジフトの練習に戻ろうとしたが聞きたいことがあったので聞くことにした。
「聞きたいことがあるのですがー。」
「なんだよ?後同い年だろ?なんで敬語なんだよ?」
「つい、年上ぽいし。」
エースが反論してきた。
「…オマエ、オレと初めて会ったとき、タメ口だったよな。」
「まぁ、なんかエースって同い年ぽいなって…。」
「そいつより、ガキぽいってことかよ…。」
あ、拗ねちゃった。
「…もう帰っていいか。」
「ごめん。それで聞きたいことなんだけど今回の騒動の首謀者ってサバナクロー生だよね?」
「!!…なんでそう思う。」
「犠牲者の中にサバナクロー生がいなかった気がしたから。」
「それだけか?」
「もちろんそれだけじゃない。…ユニーク魔法を使って今回の騒動を引き起こしているって俺は思っている。俺が見た事があるユニーク魔法と今回起きた騒動。…被害者が言っていたことと一致していたから。」
「…。」
ジャックは、背を向けると言った。
「…一つ言えるとすれば、俺が狙われることは、多分…ない。じゃあな。」
…サバナクローを売らず、こちらにも情報を渡す言い方。だからー。
「…ありがとう。」
そう一言だけ言った。

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