マスターの好きなタイプは?〜王様ゲームにて〜

マスターである藤丸立香の部屋にはイアソン、黒髭、清少納言、オリオン(熊)が
集まっていた。
ことの発端は清少納言が
「ちゃんマスの部屋に行こうぜーっ!!」と発し、その後にシュミレータールームから出てきたサーヴァントをほぼ無理矢理藤丸の部屋に連れ込んだ。
勿論藤丸は驚いた。
「ちゃんマスー!暇だから遊びにきたZE⭐︎」といい、縄で縛られているサーヴァントが連れてこられるとは想像していなかった為である。そして現在、藤丸の部屋には清少納言と(無理矢理)連れてこられた3人のサーヴァントがいた。
「いやー!ちゃんマス!待たせたNA!」
待ってないし、床に転がっているサーヴァントはなんだろう。
「キャー!人攫い! 
…拙者、海賊だけどネ!」
「なんだよ!何処だここ!?誰!?目隠ししたの!?」
「俺の扱い酷くない?他のヤツらと一緒に縛るとか…、ムサイ野郎共より可愛い女の子がよかっ…なんだ?急に寒気が…。」
藤丸は散状をみて遠い目をした。
「それじゃあ、はじめるZE!王様ゲーム!勝ったら、なんでも言うこと聞けよ?」
最後は、何故か脅しが入っていた。
「マスター、
マスターに聞きたいことが…。」
身体をモジモジし始めて藤丸に近づいてくる黒髭。
「早いよ!まだ始まってないし!」
「お、面白いそう!俺の命令は絶対な!」
「もっと女子がいたら最高なのに…、
ハッ!アルテミスの声がした気が
したぞ!?」
始まる前から修学旅行状態。
藤間は諦めて王様ゲームをやることにした。最初の王様はイアソンだった。
「お、俺か!何にしようかな〜、そうだ!」イアソンはニンマリといやらしい顔をする。
藤丸は、嫌な予感がし、眉を潜めた。
「1番のヤツ!
3回周ってワンっ!と言え!」 
想像通りであり、1番は藤丸だった。
「マジかー。」
「やっちゃう?」
「まあ、定番ですな。」
黒髭たちは他人事だと思って見ていた。
藤丸はイアソンに問いかけた。
「…あのさ、イアソン。」
「なんだ、キャンセルはナシだぞ!」
気分良さそうに言うイアソンの頭を醒めさせる様な一言を藤丸は浴びさせた。
「これやったら、メディアに報告するね」
途端にイアソンは、顔が真っ青になった。
「えっ。」
「よし、確か3回周ってだっけ…。」
バレリーナのポーズをし、綺麗に周ろうとする藤丸。
それをイアソンは死ぬ気で止めさせようと
する。
「やめろぉぉぉ!!
こんなことマスターにさせたって知られたら、メディアに殺されるぅぅ…!!」
死ぬ気で止めようとするイアソンと笑いながら周ろうとする藤丸。地獄のような絵面を見ながら黒髭たちは藤丸の部屋を漁りはじめていた。
「ちゃんマスって、
外道なとこあるよなー。」
そんな清少納言の意見に指をさしながら黒髭は同意した。
「それな!」
イアソンを同情的にオリオンは見つめたながら、ボソッと呟いた。
「…かわいそうなヤツ…。」
すっかり疲れているイアソンを無視して王様ゲームは続いていく。
次の王様は清少納言だった。
「マジかー!なぎこさん来ちゃうかー!
んじゃ、2番の人手あげな!」
2番は藤丸だった。
「また、俺!?」
藤丸はドキドキしていた。
どんな無理難題を言われるのかと。
しかし、質問は意外にも普通だった。
「ちゃんマスってマシュのこと、
どう思ってんの?」
「あ、拙者も気になっていた。」
「あー、気になるな。」
「で、どうなんだ?他の子が好きでも、秘密にしといてやるよ。」
全員ノリノリである。
「言えよー!」
そう言いながら、清少納言は藤丸の脇腹辺りを肘で小突いてきた。
「なぎこさん、酒飲んでないよね?
てか…!力、強!痛いから!」
「ちゃんマス!言え!
コイツがどうなってもいいのか!?」
「何?そのテンション…、いや、そのお菓子俺の部屋にあったヤツだからね?」
「いや〜いつも通りですな。」
そう言いながら、遠慮なしにお菓子の袋を開ける黒髭。
「遠慮ないね、黒髭…。」
「海賊だからネ!」
藤丸は真面目な顔をして、語り始めた。
「マシュは…、絶対に護らないといけない
存在…、かな。」
「真面目か!」
「ガチな答えキター!」
「ちゃんマス…、
ガチな答えはちょっと…。」
「そうくるか…!なら、マシュちゃんは貰っても…、ハッ!アルテミス!?」
散々な反応で、藤丸はむくれた。
「聞いたのそっちじゃん!
何、その反応!?」
「いや、だってそんなガチな反応くるとは
なぎこさん、予想外でさー。」
「で、実際のところマシュとそういう関係になりたいの?」
いやらしい笑みを浮かべながら、聞いてくるイアソン。
藤丸はイアソンの顔を殴りたくなったが、
ぐっと堪えて、一言だけイアソンに言うのであった。
「…言っても良いけど。」
「お、なんだ〜、早く言えよ!」
調子に乗っているイアソンの目を醒めさせる一言を。
「…イアソンに、酷く虐められたって言うね、メディアに。」
「はっ?冗談キツイな、マスターは!」
冷や汗を途端にかき始めるイアソン。
「冗談じゃないよ。よし!証拠を見せよう!令呪をもって命じる。来い!メディー…。」
「バッカ!お前!くだんねぇことに令呪を使うじゃねぇー!!」
蘭丸チョコを食べながら、
2人を眺める清少納言達。
「ちゃんマスってさー、イアっち弄るときだけ全力だよね。」
「それな!…っていうかなぎこ、イアっちとは?」
「聞いてくれ…、これには深い事情があって…。」
「あ、これ長くなるヤツだ。」
「今、決めた。」
「今かよ!?」
「流石なぎこ、ハンパないですな。」
「まあ、楽しかったし
本当のこと言おうかな。」
イアソンに笑いかけながら、話す藤丸。
「楽しかった!?
楽しかったって言ったよな!?今!?」
顔を青ざめさせるイアソンだったが、無視して話し始めた。
「今は、付き合うとか考えられないかな。
自分が生きることで精一杯だし。」
「ちゃんマス…。」
暗くなる清少納言、黙って話を聞いているイアソン達。
それを打ち消す様に黒髭が、話し始めた。「ですな、流石マスター分かっている。
拙者も推しの為に、生きてますからな。」
黒髭のそんな解答に藤丸は小さく笑った。
「ははっ!黒髭らしいな」
黒髭のおかげで暗い雰囲気が明るくなったので、王様ゲームを再開した。
今度の王様は黒髭だった。
「やだっ!拙者きちゃった!」
ドキドキした顔で藤丸を見つめる黒髭。
そんな黒髭に対して藤丸は塩対応を続けた。
「いいからそういうの。早くお題言って。」
「マスターは、相変わらず冷たいですな。
…でも、アタシそこが好き!」
藤丸はそんな黒髭に対して冷たく対応した。
「いいから、はやくしろ。」
「はぁ〜い…。
んじゃ、4番の人の好きなタイプで。」
4番はまた藤丸だった。
「またかよ。細工されてない?」
そんな藤丸に対して清少納言は慌てて首を横に振った。
「してないって!」
「怪しい…、それにしても黒髭の質問は、意外に普通だな。」
全員同意見だった。
「ふつー。」
「意外性がないな。」
「ないわー。」
散々な反応に黒髭は抗議する。
「こういうのは、普通が良いの、普通が!」
「黒髭のくせにまともなコト言っていやがる…。」
「どうなんだ!?マスター!?」
散々な反応だったため、キレる様に藤丸に聞く黒髭。
「うーん、そうだな、考えたことなかったけど…。考えてみるか…。」
藤丸は数分程悩んだ後に答えた。
「好みのタイプか分からないだけど、口が悪くて。」
「最悪じゃねーか。」
「嘘吐きで。」
「ないわー。」
「…でも、なんだかんだ手を貸してくれる。」
藤丸が優しそうな目をする。
黒髭達は口を揃えて、全員がツッコんだ。
「オベロンじゃん。」
「オベロンじゃねーか。」
「オベっちじゃん。」
「オベロン氏ですな。」
藤丸は慌てて否定した。
「違うよ!?」
「嘘吐きって言うワードが
ピンポイントすぎる。」
「拙者とは遊びだったのね!
まさかマスターにそっちの気が
あったとは…、マスターがどんな風でも
拙者は引かないヨ!」
「うーん、ギリシャ系神がタイプじゃない
だけ健全か…?」
「ちゃんマス!頑張れよ!…空から見守っているZe!」
全員藤丸の回答を真面目に受けて取ってなかった。
「聞いて!!」
藤丸の叫び声がこだました。
後日、カルデア中にある噂が届くこととなる。
「マスターの好みのタイプは、オベロン。」
その噂が広まってから、藤丸はオベロンに虫を見るような目で見られ、一週間以上口を聞いて貰えなかった。

END
色彩

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